カンジタ症

Candidiasis

カンジダ症の原因・症状・治療法|再発予防と日常ケアのポイントを徹底解説- 岩間こどもクリニック(小児科・アレルギー科)

カンジダ症とは

カンジダ症とは、カンジダ菌という真菌(カビの一種)が原因で引き起こされる感染症のことです。カンジダ菌は、健康な人の皮膚や口腔、腸管、性器などに常在する菌ですが、免疫力の低下や皮膚のバリア機能の乱れがきっかけで異常に増殖し、感染症として発症します。


  • 対象
    乳幼児、高齢者、免疫力が低下している方など、抵抗力が弱い人に多く発症します。
  • 症状
    発症部位に応じて赤みやかゆみ、白い苔状の膜が現れるのが特徴です。

カンジダ症は、適切な治療とケアを行えば改善が期待できる疾患です。しかし放置すると症状が悪化したり、日常生活に支障をきたすこともあるため、早期の対応が大切です。

カンジダ症が発症する原因

カンジダ症が発症する主な原因は、カンジダ菌の異常増殖です。以下のような要因が重なることで発症しやすくなります。

1. 免疫力の低下

                         

体の抵抗力が低下すると、普段は問題にならないカンジダ菌が増殖しやすくなります。

  • 風邪や病気で体力が落ちているとき
  • 糖尿病や栄養不足
  • 抗がん剤やステロイド薬の使用

2. 湿度や温度の影響

カンジダ菌は高温多湿の環境を好むため、皮膚のシワや湿った場所で増殖しやすいです。

  • おむつや下着の蒸れ
  • 汗がたまりやすい部位(わきの下、股間)

3. 抗生物質の使用

抗生物質は細菌感染の治療に使われますが、体内の善玉菌も減少させてしまいます。その結果、カンジダ菌が増えやすくなることがあります。

4. ホルモンバランスの変化

妊娠中や更年期はホルモンバランスが変わり、カンジダ症を発症しやすくなります。

カンジダ症の主な症状と特徴

カンジダ症の症状は、発症部位によって異なりますが、以下が代表的な特徴です。

1. 口腔カンジダ症

  • 症状
    口の中や舌に白い苔状の膜ができ、痛みや違和感を伴います。
  • 発症しやすい人
    乳児、高齢者、免疫力が低い方

2. 皮膚カンジダ症

  • 症状
    赤い湿疹やかゆみ、ジュクジュクした皮膚が特徴です。主にシワや皮膚がこすれる部分に現れます。
  • 発症しやすい部位
    わきの下、股間、おむつが当たる部分

3. 性器カンジダ症(外陰膣カンジダ症)

  • 症状
    女性では外陰部のかゆみ、痛み、白いおりものが特徴です。男性では亀頭部の赤みやかゆみが現れます。
  • 発症しやすい人
    妊娠中の女性や糖尿病患者

4. 爪カンジダ症

  • 症状
    爪の変色や厚みが増し、割れやすくなります。

カンジダ症が起こりやすい人の特徴

カンジダ症は誰にでも起こる可能性がありますが、特に以下の人は発症しやすいとされています。

  • 免疫力が低下している人
    病気やストレス、栄養不足で体力が落ちている方
  • 糖尿病患者
    血糖値が高い状態はカンジダ菌が増えやすい環境を作ります。
  • 抗生物質を使用している人
    善玉菌が減少し、カンジダ菌が異常に増殖することがあります。
  • 妊娠中や更年期の女性
    ホルモンバランスの変化が影響します。
  • 長時間おむつを着用している赤ちゃん
    おむつ内の湿気がカンジダ菌の増殖を助けます。

カンジダ症の診断方法と検査内容

カンジダ症は、発症部位や症状の現れ方から比較的容易に診断されますが、必要に応じて検査を行い、他の病気との鑑別が行われます。

1. 視診と問診

  • 視診
    患部の赤み、白い膜、湿疹の状態などを目で確認し、カンジダ症が疑われるか判断します。
  • 問診
    症状が現れた時期、かゆみや痛みの有無、生活習慣や体調について確認します。特に免疫力低下や薬の使用歴が重要なポイントです。

2. 検査内容

  • 培養検査
    患部の皮膚や分泌物を採取し、カンジダ菌の有無を確認します。
  • 顕微鏡検査
    採取した皮膚の一部を顕微鏡で観察し、カンジダ菌の存在を確認します。
  • 血液検査
    重症の場合や全身症状がある場合は、血液検査で体内の状態を調べます。

これらの検査により、カンジダ症と他の皮膚疾患(湿疹、細菌感染、アトピー性皮膚炎など)との違いが明確になります。

カンジダ症の治療法|薬の種類と正しい使い方

カンジダ症の治療は、発症部位や症状の程度に応じて抗真菌薬を中心に行われます。正しい治療を続けることで、症状は改善し再発を防ぐことができます。

1. 抗真菌薬の外用薬

軽度から中等度のカンジダ症には、外用薬(塗り薬)が使われます。


  • 塗り方
    清潔な手で薬を取り、患部に薄く均一に広げます。皮膚のシワや隙間にも丁寧に塗るようにします。
  • 使用期間
    症状が改善してもすぐに中止せず、医師の指示に従いしっかりと治療を続けることが重要です。

2. 抗真菌薬の内服薬

症状が広範囲にわたる場合や、外用薬だけでは効果が不十分な場合には、内服薬が使われます。

  • 効果
    体の内部からカンジダ菌の増殖を抑える効果があります。
  • 注意点
    妊娠中や授乳中の方は、医師に相談の上、適切な治療を受けることが大切です。

3. 口腔カンジダ症の治療

  • 専用のうがい薬
    口の中を清潔に保ちながら、抗真菌成分を含んだ薬で治療を行います。
  • 内服薬
    症状が重い場合には、抗真菌薬の服用が必要です。

4. 爪カンジダ症の治療

症状が広範囲にわたる場合や、外用薬だけでは効果が不十分な場合には、内服薬が使われます。

家庭でできるカンジダ症のケアと生活改善のポイント

カンジダ症を早く治し、再発を防ぐためには、日常生活でのケアと工夫が欠かせません。

1. 患部を清潔に保つ

  • 汗や汚れが溜まりやすい部分は、こまめに洗い、清潔に保ちます
  • 洗う際はぬるま湯を使い、石けんは低刺激のものを選びましょう
  • 強くこすらず、タオルで押さえるように優しく拭き取ります

2. 患部を乾燥させる

湿った環境はカンジダ菌の増殖を助けるため、患部はしっかり乾燥させることが大切です。

  • 入浴後やおむつ替え後は、乾燥時間を確保します
  • 通気性の良い服や下着を選び、汗をかいたらすぐに着替えましょう

3. 食生活の見直し

食事のバランスを整えることで、免疫力を高める効果が期待できます。

  • 控えるべき食品
    糖分の多い食べ物やアルコールは、カンジダ菌の増殖を助けるため控えましょう。
  • 積極的に摂るべき食品
    野菜や発酵食品(ヨーグルト、納豆など)、ビタミンやミネラルを含む食品を取り入れましょう。

4. 免疫力を高める生活習慣

  • 十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけます
  • ストレスを溜め込まないよう、リラックスできる時間を作りましょう
  • 適度な運動も免疫力の向上に役立ちます

カンジダ症の再発を防ぐ予防策

カンジダ症は一度治っても再発しやすい疾患です。日常生活で次のポイントに注意して再発を防ぎましょう。

  • 通気性の良い衣類を選ぶ
    締め付けが少なく、通気性の良い下着や衣類を選び、汗をかいたらすぐに着替えましょう。
  • 皮膚を清潔に保つ
    皮膚が蒸れやすい部位(おむつ部分やシワなど)を中心に、清潔と乾燥を心がけます。
  • 健康的な生活習慣を維持する
    免疫力が低下しないように、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を続けましょう。
  • 薬の使用を最後まで続ける
    症状が改善しても自己判断で薬を中断せず、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。

岩間こどもクリニックのカンジダ症診療とサポート

岩間こどもクリニックでは、赤ちゃんやお子さまのカンジダ症の診療を行い、適切な治療とケアの指導を提供しています。

  • 丁寧な診察と適切な治療
    症状や発症部位に応じて、抗真菌薬の外用薬を処方し、家庭でのケア方法について丁寧にアドバイスします。
  • 再発防止のための生活指導
    再発を防ぐためのスキンケアや衣類の選び方、食生活について具体的にサポートいたします。

カンジダ症が疑われる場合や、なかなか治らない場合は早めにご相談ください。

まとめ

カンジダ症は、カンジダ菌が異常に増殖することで引き起こされる感染症です。

  • 原因
    免疫力低下、湿気や摩擦、ホルモンバランスの変化
  • 症状
    口腔、皮膚、性器など発症部位によって異なる
  • 治療法
    抗真菌薬の使用と日常のスキンケア

岩間こどもクリニックでは、カンジダ症の診療と家庭でのケアをサポートし、再発防止までしっかりとご案内いたします。症状が気になる場合は、早めの受診をおすすめします。

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