頭を痛がる

headache

頭を痛がる原因は?子どもの頭痛とケア方法を小児科医が詳しく解説

子どもが頭を痛がる理由

子どもが頭痛を訴える原因は多岐にわたり、疲労やストレスなど日常的な原因から、片頭痛や副鼻腔炎、感染症など疾患による場合までさまざまです。特に幼い子どもは症状を正確に伝えにくいため、保護者が子どもの様子をよく観察し、適切な対応を行うことが重要になります。

子どもが頭痛を訴える際の注意点

子どもが頭痛を訴える場合、以下のポイントに注意して観察しましょう。


  • 頭痛がいつ、どのような状況で起こるかを詳しく確認する。
  • 頭痛に伴い、発熱や吐き気、視覚異常、意識障害などがないかチェックする。
  • 頭痛が頻繁に繰り返される場合や、徐々に症状が悪化している場合は早めに受診する。

家庭での適切な対処法

ご家庭でできる基本的な頭痛のケアは以下の通りです。


  • 静かな環境で安静に過ごさせる。
  • 光や音などの刺激を減らし、リラックスできる環境を整える。
  • 頭痛が強い場合は頭を冷やしたり、暗い部屋で休ませたりする。
  • 症状が続く、または悪化する場合は速やかに医療機関を受診する。

頭痛を伴う代表的な疾患と特徴

  • 片頭痛の特徴と原因
    片頭痛はズキズキと脈打つような強い痛みが頭の片側や両側に起こる疾患で、吐き気や嘔吐、光や音への過敏性を伴うことがあります。子どもの片頭痛は家族歴があることが多く、疲労や睡眠不足、ストレスなどが引き金となる場合があります。症状が始まったら、静かな環境で休ませることが有効で、症状が頻繁に起きる場合は専門的な治療が必要になります。
  • 副鼻腔炎の特徴と原因
    副鼻腔炎は鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こり、鼻づまりや粘り気のある鼻水とともに頭痛や顔面の痛みを伴う疾患です。特に前頭部や目の奥が痛むことが多く、症状は風邪の後に長引きやすくなります。抗生物質や抗炎症薬による治療が行われ、鼻水をこまめに出すなど家庭でのケアも重要になります。
  • 感染症の特徴と原因
    子どもが頭痛を訴える場合、ウイルスや細菌による感染症が原因となっていることも多くあります。インフルエンザ、髄膜炎などは高熱、頭痛、首の硬直、嘔吐を伴うことがあります。特に髄膜炎は早期治療が重要で、頭痛以外の症状にも注意し、重症化を防ぐため早めの受診が不可欠です。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早期に医療機関を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・頭痛が頻繁に繰り返し起こる場合
    ・頭痛とともに鼻水や顔面の痛み、発熱が続く場合
    ・症状が改善せず、日常生活に支障をきたす場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・激しい頭痛とともに意識障害やけいれんが起きる場合
    ・首の硬直や嘔吐、高熱があるなど髄膜炎が疑われる場合
    ・頭痛のあと急にぐったりし、緊急性が高いと判断される場合

症状が改善した後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後は、十分な休息を取り、無理をさせず静かな環境で過ごしましょう。日常的にストレスを減らし、規則正しい生活を送ることが頭痛の再発予防につながります。

再発を防ぐための日常生活の注意点

頭痛の再発予防には以下を心がけましょう。


  • 十分な睡眠を取り、生活リズムを整える。
  • ストレスを溜め込まないよう、適度な運動やリラックスできる環境を整える。
  • アレルギー性鼻炎など鼻症状をコントロールし、副鼻腔炎を予防する。
  • 予防接種など感染症対策を日頃から意識的に行う。

よくある質問

子どもの片頭痛は大人と同じですか?
症状は似ていますが、子どもは頭痛以外に腹痛や吐き気が強く出る場合があります。
副鼻腔炎は自然に治りますか?
軽度なら自然に治ることもありますが、長引く場合は抗生物質などの治療が必要です。
頭痛薬は子どもにも使えますか?
小児用の鎮痛薬がありますが、頻繁な使用は避け、医師の指示で使用しましょう。
感染症による頭痛の特徴は?
高熱、嘔吐、首の硬直、意識障害を伴う場合は緊急性が高く、すぐ受診が必要です。
子どもの頭痛は検査が必要ですか?
頭痛が頻繁で重い場合は、必要に応じてCTやMRIなどの検査を行うこともあります。
副鼻腔炎の症状を家庭で和らげる方法は?
こまめな鼻かみや鼻洗浄、室内の湿度調整が効果的です。
頭痛を訴えた時に入浴は控えるべきですか?
軽い頭痛なら短時間の入浴は可能ですが、症状が重い場合は控え、安静にしましょう。
頭痛予防におすすめの生活習慣は?
規則的な睡眠、栄養バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理が重要です。

まとめ

子どもの頭痛は、日常的な疲労やストレスが原因の場合もありますが、片頭痛、副鼻腔炎、感染症など注意が必要な疾患が隠れていることもあります。片頭痛は症状が強く、日常生活に支障をきたすことがあり、副鼻腔炎は適切な治療が遅れると慢性化して集中力低下や学習面へ影響を及ぼす可能性があります。感染症に伴う頭痛では、髄膜炎など重症化すると命に関わるケースもあります。

子どもの場合、自分の症状を正確に伝えることが難しいため、保護者が日常的に注意深く観察し、頭痛の頻度や程度、伴う症状を早めに把握することが重要です。頭痛の症状が強かったり、繰り返し発生したり、また他の異常な症状が併発している場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが必要です。

岩間こどもクリニックでは、お子さまの頭痛の原因をしっかりと診断し、それぞれの疾患に合わせた丁寧な治療を行います。また、日常生活でのケアや再発防止のための具体的なアドバイスもご家族にお伝えしています。少しでも気になる症状や疑問があれば、早期にご相談ください。

お子さまが健康で安心して毎日を過ごせるように、私たちがご家族と協力して全力でサポートいたします。

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