目やにが出る

Eye discharge

目やにが出る原因は?子どもに多い疾患と対処法を小児科医が詳しく解説

目やにが出る理由

目やには涙や粘液、細胞の老廃物が混ざったもので、通常は少量で自然に排出されます。しかし、子どもの目に多量の目やにが見られる場合、目の感染症や炎症、鼻涙管の閉塞などが原因となっていることがあります。子どもは手で目を触りやすく感染症を起こしやすいため、症状が頻繁に起こりやすい傾向があります。

子どもの目やにに気づいた際の注意点

子どもに目やにが出たら、以下の点に注意してください。


  • 目やにを無理に強く拭き取らず、清潔な柔らかいガーゼやティッシュで優しく拭き取る。
  • 手指を清潔に保ち、目をこすらないよう注意する。
  • 症状が改善しない、または目の充血、かゆみや痛みなどを伴う場合は速やかに医療機関を受診する。

子どもの目やにへの家庭での対処法

家庭での基本的な対処法は以下の通りです。


  • 清潔なぬるま湯やガーゼで、目頭から目尻へ優しく目やにを拭き取る。
  • 手洗いを徹底し、家庭内で感染を広げないよう注意する。
  • タオルやハンカチなどの共有は避ける。
  • 症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診する。

目やにを引き起こす代表的な疾患とその特徴

  • 結膜炎の特徴と原因
    結膜炎は目の結膜がウイルスや細菌感染によって炎症を起こす疾患です。特に流行性角結膜炎(はやり目)はアデノウイルスが原因で感染力が強く、目やに、充血、かゆみ、涙が大量に出ることが特徴です。保育園や幼稚園で感染が広がりやすいため、早期の診断と治療が重要になります。家庭での感染予防(手洗い、タオル別使用)が大切です。
  • ものもらい(麦粒腫)の特徴と原因
    ものもらい(麦粒腫)は、まぶたの縁にあるまつ毛の毛根に細菌(主に黄色ブドウ球菌)が感染して炎症を起こす疾患です。まぶたの腫れや痛み、赤み、目やになどが主な症状です。通常は自然に治りますが、症状がひどい場合は抗菌薬の点眼や内服薬での治療が必要となるので眼科を受診してください。
  • 鼻涙管閉塞の特徴と原因
    鼻涙管閉塞は、涙の通り道である鼻涙管が詰まり、涙がうまく排出されずに目やにが増える状態です。乳幼児期に特に多く見られ、片目だけ目やにが多い、涙が常にあふれているなどの症状が特徴的です。自然に改善するケースが多いですが、改善しない場合は専門的な治療(鼻涙管通水術など)が必要になることもあるので、眼科を受診してください。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早めに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・目やにが多量に続く、または悪化する場合
    ・目の充血や腫れ、痛みが強い場合
    ・視力低下や目の見えにくさを訴える場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・急激に視力が落ちた場合
    ・強い痛みとともに目の周囲が腫れ、頭痛や吐き気、嘔吐を伴う場合
    ・意識障害や呼吸困難など全身症状が見られる場合

症状が落ち着いた後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も引き続き目の清潔を保ち、手洗いを徹底しましょう。また、タオルの共有は避け、感染予防に努めます。定期的な観察を行い、再び症状が出た場合は速やかに対応しましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

目やにの再発を予防するために以下の点に注意しましょう。


  • 日常的に手洗いを徹底し、目をこすらないよう注意する。
  • 子どものタオルや衣類、寝具を清潔に保つ。
  • 集団生活では感染予防を意識し、症状がある場合は早めに休ませる。
  • 目の異常に気づいたらすぐに医療機関に相談する。

よくある質問

結膜炎はどれくらいで治りますか?
通常1週間程度で改善しますが、症状が重い場合は数週間かかることもあります。
ものもらいはうつりますか?
基本的にはうつりませんが、触った手で目をこすると広がることがありますので注意が必要です。
鼻涙管閉塞は自然に治りますか?
乳児期の鼻涙管閉塞は自然に改善することが多いのですが、長引く場合は処置が必要です。
目やにを取り除く時のコツは?
ぬるま湯を含ませたガーゼで目頭から目尻へ優しく拭き取るのがよいでしょう。
目薬を嫌がる場合どうすればよいですか?
子どもが寝ている時に点眼するなど工夫をすると比較的行いやすくなります。
目やにが出るとプールは避けたほうがよいですか?
結膜炎など感染性疾患の場合は症状が完全に落ち着くまで控えましょう。
鼻涙管閉塞の処置は痛みがありますか?
処置は短時間で終わり、子どもへの負担は比較的少ないですが、不安な場合は医師にご相談ください。
ものもらいに効く市販薬はありますか?
抗菌作用のある市販の目薬もありますが、症状が重い場合は受診して医師からの処方薬を使用するのがよいでしょう。

まとめ

子どもの目やには、一見すると軽い症状として見過ごされやすいですが、実際には結膜炎やものもらい、鼻涙管閉塞など、適切なケアや治療が必要な疾患が原因となっている場合があります。これらの疾患は適切な処置をせずに放置すると、目の症状が悪化したり感染が広がったりして、子どもの生活や成長に悪影響を与えることもあります。

特に流行性角結膜炎(はやり目)は感染力が強く、早期に対処しないと家庭内や集団生活での感染拡大につながります。ものもらいは適切な治療が遅れると症状が悪化し、長期的な不快感や痛みが続くことがあります。また鼻涙管閉塞は、治療が遅れると目やにや涙の症状が慢性化し、子どもが不快感を抱え続けることになります。

こうした状況を避けるためには、症状の早期発見と迅速な対応が極めて重要です。日常生活では手洗いを徹底し、目を清潔に保つことが基本です。また、症状がある場合は他の人との接触をなるべく控え、適切な治療を速やかに開始することが求められます。

岩間こどもクリニックでは、目やにの症状に対して詳細な診察を行い、症状や原因に合わせた適切な治療を提供しています。また、ご家庭での具体的な対処方法や感染予防のアドバイスについても丁寧にお伝えしています。

子どもたちが健康で快適な日常生活を送るために、小さな症状でも早期に医療機関に相談する習慣がとても大切です。目の症状に気づいた際には、ぜひ岩間こどもクリニックへ早めにご相談ください。お子さまとご家族が安心して過ごせるように、私たちが全力でサポートいたします。

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