うんちが緑色

Green poop

うんちが緑色になる原因は?子どもに多い疾患と対処法を小児科医が詳しく解説

うんちが緑色になる理由

子どもの便が緑色になるのは、便が腸を通過するスピードが速すぎる場合や、食事内容、腸内環境の変化などが主な理由です。通常の茶色い便は胆汁が腸内細菌により分解されて色が変化しますが、何らかの原因でこれが十分に行われないと、便が緑色のまま排出されることがあります。

子どものうんちが緑色になった際の注意点

子どもの便が緑色の場合は、以下の点に注意しましょう。


  • 便の色や回数、状態を記録し、受診時に詳しく伝える。
  • 腹痛、下痢、嘔吐、発熱など他の症状の有無を観察する。
  • 症状が続く場合や悪化する場合は早めに医療機関を受診する。

子どもの便が緑色の時の家庭での対処法

家庭での対処法として、以下のことが挙げられます。


  • 下痢や胃腸症状がある場合、水分補給を少量ずつこまめに行う。
  • 消化に良い食品を摂取させ、胃腸への負担を軽減する。
  • 鉄分の摂取が多い場合は、摂取量を適正に調整する。
  • 症状が改善しない場合は無理せず医療機関に相談する。

うんちが緑色になる代表的な疾患と特徴

  • 胃腸炎の特徴と原因
    胃腸炎はウイルスや細菌感染により消化器官が炎症を起こす疾患です。主な症状として下痢、嘔吐、腹痛があり、便が腸内を素早く通過することで緑色になることがあります。特にロタウイルスやノロウイルス感染時には緑色の便を伴う下痢が多く見られます。適切な水分補給や安静が重要であり、症状がひどい場合は早めの受診が必要です。
  • 乳糖不耐症の特徴と原因
    乳糖不耐症は乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足している状態で、牛乳などの乳製品摂取後に下痢や腹痛、緑色の便を起こすことがあります。乳糖が未消化のまま腸内を通過し、腸内の刺激となり便が急速に排出されるためです。乳糖を含まない食品や乳糖分解酵素を利用することが効果的な対策となります。
  • 鉄分過多の特徴と原因
    鉄分を多量に摂取すると便が緑色や黒緑色に変化することがあります。これは鉄剤や鉄分強化食品、フォローアップミルクなどを摂りすぎた際によく見られる症状です。通常は摂取量を調整することで改善しますが、過剰摂取が疑われる場合は小児科医に相談し、摂取方法の見直しを行いましょう。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早めに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・緑色の便が長期間(数日~1週間以上)続く場合
    ・腹痛、嘔吐、下痢などの症状が激しい場合
    ・発熱や食欲不振、体重減少を伴う場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・激しい腹痛や意識障害がある場合
    ・血便や嘔吐物に血液が混じっている場合
    ・脱水症状(顔色が悪くぐったりする、意識がもうろうとする)が強く緊急性が高い場合

夜泣き後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も、消化に良い食事を継続し、腸内環境を整えることを心がけましょう。鉄分の摂取が多すぎる場合は適切な量に調整し、乳製品で症状が出る場合は食事内容を調整することが重要です。

再発を防ぐための日常生活の注意点

うんちの色の異常を予防するために以下のことを心がけましょう。


  • 栄養バランスを考えた食生活を維持する。
  • 鉄剤やサプリメントを使用する場合は医師と相談の上、適切な量を摂取する。
  • 乳製品摂取後に症状が現れる場合は乳糖不耐症を疑い、食事内容を見直す。
  • 感染予防のために手洗いを徹底し、衛生的な環境を整える。

よくある質問

緑色の便はすぐに受診すべきですか?
一時的で他の症状がなければ様子を見てもよいですが、長引く場合や症状が悪化する場合は早めの受診をおすすめします。
母乳やミルクで便が緑色になることはありますか?
母乳や鉄分を強化したミルクで便が緑色になることがあります。通常は心配ありませんが続く場合は相談しましょう。
鉄剤を摂ると便は必ず緑色になりますか?
鉄剤によって便が緑色や黒色に変化することは一般的ですが、異常ではありません。
乳糖不耐症は遺伝しますか?
遺伝的要素が関係することもありますが、必ずしも家族全員が症状を持つわけではありません
胃腸炎で便が緑色になる理由は?
腸内を便が速く通過すると胆汁が分解されず、便が緑色になります。
緑色の便で痛みがない場合は様子を見て大丈夫ですか?
痛みや他の症状がなく、一時的なら様子を見て構いませんが、長く続く場合は受診をおすすめします。
乳糖不耐症でもチーズやヨーグルトは食べられますか?
少量であれば問題ない場合がありますが、個人差があるため様子を見ながら摂取しましょう。
緑色の便が出た時の食事の注意点は?
消化に良い食事を摂り、脂肪分や刺激物を控えるよう心がけましょう。

まとめ

子どもの便が緑色になる症状は一時的で問題ないケースが多いのですが、胃腸炎や乳糖不耐症、鉄分過多など、適切な対応が必要な疾患が原因となっている場合もあります。特に胃腸炎では下痢や嘔吐が伴い、乳糖不耐症では継続的な下痢や腹部不快感が見られ、子どもの日常生活や発育にも影響を及ぼす可能性があります。また鉄分過多の場合も摂取量の調整が必要となり、慢性化すると腸の働きや栄養吸収に悪影響を及ぼします。

子どもの便の色や性状の変化は健康状態を知る重要なサインです。便の色が緑色の場合、保護者が注意深く観察し、他の症状(腹痛、嘔吐、発熱など)の有無をチェックすることが大切です。症状が一時的でなく継続する場合や、他の症状が伴う場合には早めに医療機関を受診し、正しい診断と治療を受けることが必要です。

岩間こどもクリニックでは、子どもの緑色便に対して詳細な診察を行い、症状に合わせた適切な治療法や日常のケア方法をわかりやすく指導しています。保護者の皆さまが安心してお子さまの健康管理を行えるように、細やかなサポートを心がけています。

お子さまの健康な成長を守るためにも、便の色など小さな変化にも気を配り、早期に適切な対応を取ることが非常に重要です。何か気になる症状や不安なことがありましたら、ぜひ岩間こどもクリニックへお気軽にご相談ください。私たちがご家庭と協力して、お子さまの健やかな毎日を全力で支えてまいります。

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