肺炎球菌

Streptococcus_pneumoniae

赤ちゃんを守る肺炎球菌ワクチン|定期接種の効果と安全性を徹底解説- 岩間こどもクリニック(小児科・アレルギー科)

肺炎球菌ワクチンとは

肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症を予防するためのワクチンです。肺炎球菌は、鼻や喉に存在する細菌の一つですが、免疫力が低下したときに増殖し、さまざまな感染症を引き起こします。特に乳幼児や高齢者では重症化しやすいため、定期接種として予防することが重要です。

肺炎球菌ワクチンの特徴

  • 目的
    肺炎球菌感染症の予防、重症化防止
  • 対象
    主に生後2か月以上の乳幼児(定期接種)
  • 接種回数
    年齢に応じて複数回接種

球菌感染症は、肺炎だけでなく髄膜炎や中耳炎など、さまざまな病気の原因となるため、ワクチン接種はお子さまの健康を守る重要な手段となります。

肺炎球菌感染症とは?知っておきたい原因と症状

肺炎球菌感染症は、肺炎球菌が体内に侵入して起こる感染症の総称です。特に乳幼児や免疫力が低い人は感染しやすく、重症化するリスクが高い病気です。

主な感染経路

  • 飛沫感染
    咳やくしゃみから飛び散る飛沫を吸い込むことで感染します。
  • 接触感染
    菌が付着した手や物に触れることで感染します。

これらの症状が見られる場合は、肺炎の可能性を疑い、早急に医療機関を受診することが必要です。

主な症状と病気

  • 肺炎
    症状: 発熱、咳、息苦しさ、倦怠感
    重症化すると呼吸困難を引き起こし、命に関わることがあります。
  • 髄膜炎
    症状: 高熱、けいれん、嘔吐、意識障害重篤な後遺症や死亡に至ることがある危険な病気です。
  • 中耳炎
    症状: 耳の痛み、発熱、耳だれ
    小さな子どもに多く見られる病気です。
  • 敗血症
    症状: 高熱、全身の炎症反応、ショック症状
    細菌が血液中に入り込んで全身に広がる危険な状態です。

肺炎球菌ワクチンの種類と特徴

日本で使用されている肺炎球菌ワクチンには、主に以下の種類があります。

1. 小児用肺炎球菌ワクチン(PCV13)

  • 対象
    生後2か月から5歳未満の乳幼児
  • 特徴
    13種類の肺炎球菌に対して免疫を作り、感染症の予防効果が高いワクチンです。

2. 成人用肺炎球菌ワクチン(PPSV23)

  • 対象
    65歳以上の高齢者や免疫力が低下している方
  • 特徴
    23種類の肺炎球菌に対応し、重症化を防ぎます。

肺炎球菌ワクチンの接種時期とスケジュール

肺炎球菌ワクチンは定期接種として、生後2か月から開始します。

接種スケジュール

  • 初回接種
    生後2か月から生後7か月までに、27日以上の間隔をおいて3回接種
  • 追加接種
    3回目接種終了後60日以上の間隔をおいて1回接種

このスケジュールを守ることで、肺炎球菌感染症に対する免疫をしっかりとつけることができます。

肺炎球菌ワクチンの効果と予防の仕組み

肺炎球菌ワクチンは、ワクチンに含まれる抗原が体内に入ることで、免疫が作られ、肺炎球菌に対する抵抗力がつく仕組みです。


  • 感染予防
    接種によって免疫がつくことで、肺炎球菌が体内に侵入しても発症を防ぐことができます。
  • 重症化の防止
    してもワクチン接種済みであれば、症状が軽減され、重症化を防ぐ効果があります。

肺炎球菌ワクチン接種後に見られる副反応

肺炎球菌ワクチンは安全性が高いワクチンですが、接種後に軽度の副反応が起こることがあります。まれに重い副反応が起こることもあるため、接種後はお子さまの体調に注意しましょう。

1. 軽度な副反応

接種後、以下のような反応が見られることがあります。


  • 接種部位の腫れや赤み
    針を刺した部分が軽く腫れたり、赤くなることがあります。
  • 発熱
    37.5℃~38℃程度の発熱が見られることがあります。
  • 機嫌が悪くなる
    赤ちゃんが泣きやすくなる、ぐずることがあります。

らの症状は通常1~2日程度で自然に治まります。発熱が続く場合や、症状が悪化する場合は医師に相談しましょう。

2. 重度な副反応(ごくまれ)

極めてまれに、次のような重い副反応が報告されています。


  • アナフィラキシー
    接種直後に起こる重度のアレルギー反応。息苦しさや発疹、顔の腫れが見られます。
  • けいれん
    高熱に伴ってけいれんが起こることがあります。
  • 高熱
    39℃以上の高熱が続く場合は医師の診察が必要です。

これらの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

接種後の注意点と家庭でできるケア

肺炎球菌ワクチン接種後は、次のポイントに気をつけながらお子さまの体調を見守りましょう。


  • 安静に過ごす
    接種当日は無理をせず、安静に過ごすようにしましょう。
    激しい運動や長時間の外出は避けてください。
  • 接種部位のケア
    接種部位をこすったり、強い刺激を与えないように注意します。 入浴は通常通り可能ですが、接種部位をタオルでこすらないようにしましょう。
  • 発熱時の対応
    熱が出た場合は、こまめに体温を測り、安静に過ごしましょう。
    水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぎます。
  • 高熱
    39℃以上の高熱が続く場合は医師の診察が必要です。

熱が続いたり、ぐったりしている場合は早めに医療機関を受診してください。

よくある質問と回答

肺炎球菌ワクチンは定期接種ですか?
はい、肺炎球菌ワクチンは定期接種です。対象年齢の赤ちゃんは公費(無料)で接種を受けることができます。対象期間内に忘れずに接種を受けましょう。
他のワクチンと同時接種は可能ですか?
はい、肺炎球菌ワクチンは他の予防接種(例: 五種混合ワクチン、ロタウイルスワクチンなど)と同時接種が可能です。同時接種を行うことで通院回数が減り、スケジュール管理がしやすくなります。
副反応が心配ですが、接種を受けても大丈夫ですか?
肺炎球菌ワクチンは安全性が確立されたワクチンです。副反応は多くの場合、接種部位の腫れや発熱といった軽度なものです。万が一、重い副反応が出た場合でも適切な対応ができる体制が整っていますので、安心して接種を受けてください。
接種が遅れてしまった場合はどうすればいいですか?
接種が遅れてしまった場合でも、対象年齢内であれば定期接種として受けることができます。早めに医療機関に相談し、スケジュールを立て直しましょう。

岩間こどもクリニックの肺炎球菌ワクチン接種サポート

岩間こどもクリニックでは、肺炎球菌ワクチンの接種を通じてお子さまの健康をサポートしています。保護者の皆さまに安心していただけるよう、次のサポートを行っています。


  • 丁寧なカウンセリング
    接種前にワクチンの効果や副反応について詳しく説明し、疑問や不安を解消します。
  • 安全な接種体制
    お子さまの健康状態をしっかりと確認し、経験豊富な医師とスタッフが安全に接種を実施します。
  • 接種後のフォローアップ
    接種後の経過や副反応に関する対応をしっかりと説明し、異変があればすぐに対応できる体制を整えています。

    肺炎球菌ワクチン接種についてご不明点がありましたら、いつでもご相談ください。
  • まとめ
    肺炎球菌ワクチンは、肺炎や細菌性髄膜炎などの重症化を予防するための大切な定期予防接種です。

    岩間こどもクリニックでは、肺炎球菌ワクチンの接種から接種後のフォローアップまで丁寧にサポートしています。大切なお子さまの健康を守るため、ぜひスケジュール通りの接種をご検討ください。

TOP