にきび

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にきびができたら?子どもの肌に起こるトラブルと対処法を小児科医が詳しく解説

子どもに「にきび」ができる理由

小児科でにきびが多い年齢は思春期頃で、性ホルモン・成長ホルモンの分泌が活発になることで、皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりが原因で発症します。 また、思春期以前の子どもに「にきび」のような肌トラブルが見られる場合、多くは汗疹や毛嚢炎、接触皮膚炎などが原因である場合も多くあります。子どもの肌は大人に比べ薄く敏感で、汗や刺激、細菌感染に対して敏感なため、さまざまな発疹や肌トラブルが起こりやすくなっています。

子どもの肌ににきび状の発疹が見られた際の注意点

子どもに発疹が見られた際は、以下のポイントに注意しましょう。


  • 発疹を強く掻かないよう、爪を短く整える。
  • 強い刺激や摩擦を避け、衣服や寝具を清潔に保つ。
  • 発疹が広がる、痛みやかゆみが強い場合は早期に受診する。

家庭での適切な対処法

家庭でできる基本的な対処法は以下の通りです。


  • 清潔を保つため、入浴や洗顔を毎日行う。
  • 肌を清潔に保ちつつ、にきびケア専用の洗顔料などで肌環境を整える
  • 症状が改善しない場合は早めに医療機関に相談する。

にきびに似た発疹を伴う代表的な疾患と特徴

  • 汗疹(あせも)の特徴と原因
    汗疹は汗が皮膚内にたまり、赤みを帯びた小さな発疹ができる皮膚疾患です。主に首周りや脇の下、背中、ひじの内側など、汗をかきやすい部位に多く見られます。湿度や気温が高い夏場に発症しやすく、汗を拭かずに放置すると悪化します。家庭ではこまめな汗のケア、通気性の良い服装、保湿ケアが重要です。
  • 毛嚢炎(もうのうえん)の特徴と原因
    毛嚢炎は毛穴に細菌が感染し、赤く盛り上がった発疹ができる疾患です。中心に膿を持ち、「にきび」に非常に似ています。原因は細菌感染であり、傷ついた肌や汗、皮脂などが原因となることが多く、清潔を保つことが大切です。治療には抗菌薬入りの軟膏を使用したり、抗生物質を服用します。症状が続く場合は早期に医療機関を受診しましょう。
  • 接触皮膚炎の特徴と原因
    接触皮膚炎は肌が特定の物質に触れてアレルギーや刺激反応を起こし、赤く小さな発疹ができる疾患です。発疹は触れた場所に限局して現れ、かゆみや赤みを伴います。原因は植物、金属、洗剤、化粧品など多岐にわたり、原因物質を特定し、それらを避けることで症状は改善します。症状がひどい場合は医師の指導に基づき薬物治療が必要です。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早めに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・発疹が広範囲に広がる場合
    ・強いかゆみや痛みを伴う場合
    ・発疹が膿を持ち悪化する場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・呼吸困難や顔面の著しい腫れ(アナフィラキシー症状)がある場合
    ・高熱や意識障害が見られる場合
    ・全身状態が悪く、ぐったりしているなど緊急性が高い場合

症状が改善した後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も、肌の清潔と適切な保湿を継続しましょう。肌に刺激を与えないよう衣服や寝具は清潔で柔らかいものを選び、こまめに洗濯を行いましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

せきの再発を防ぐため、日常生活で以下の点を注意しましょう。


  • 洗顔はとても重要ですが、肌を痛めすぎないように優しく洗う。
  • 汗をかいたら早めにふき取り、肌を清潔に保つ。
  • 皮膚への刺激となる衣類や洗剤、化粧品の使用を避ける。
  • 日常の保湿ケアを丁寧に行い、肌のバリア機能を維持する。
  • 発疹が繰り返す場合は早めに専門医に相談する。

よくある質問

汗疹は夏以外でもできますか?
はい、冬でも厚着をして汗をかくと汗疹になることがあります。
毛嚢炎は他人にうつりますか?
毛嚢炎自体は感染力が強くありませんが、触れたり掻いたりして広がることがあります。
接触皮膚炎は治療すればすぐに治りますか?
原因物質を避けることが重要で、軽度なら数日で改善しますが、重度の場合は治療に時間がかかることもあります。 。
発疹ができた時、入浴は控えるべきですか?
清潔を保つことは重要です。短時間の入浴は問題ありませんが、強く洗いすぎないよう注意しましょう。
発疹には市販薬を使ってもいいですか?
原因によって適切な薬が異なるため、自己判断での市販薬使用は避け、医師に相談しましょう。
毛嚢炎を防ぐポイントは何ですか?
汗をかいた後にシャワーを浴びたり、衣服を清潔に保つことが大切です。
接触皮膚炎で原因物質を特定する方法はありますか?
医療機関でパッチテストなどの検査を行い、原因物質を特定できることがあります。
汗疹のかゆみを軽減する方法はありますか?
冷たいタオルで冷やす、低刺激の保湿剤を使う、涼しい環境を整えるなどが有効です。

まとめ

子どもに「にきび」のような発疹が見られた場合、多くの保護者は「成長期に特有のもの」と軽視しがちですが、実際には汗疹(あせも)、毛嚢炎(もうのうえん)、接触皮膚炎といった適切なケアが必要な疾患が潜んでいることがあります。これらの疾患は初期段階では軽度でも、適切な処置が遅れると症状が悪化し、強いかゆみや痛み、不快感を伴い、皮膚の感染や色素沈着などの合併症につながることもあります。

特に汗疹や毛嚢炎は、肌を清潔に保ち、早期に適切なケアを行うことで早く改善します。接触皮膚炎は原因物質を特定し早めに除去することが重要であり、症状が慢性化しないよう注意が必要です。

子どもの肌はデリケートで、症状が出た場合には保護者が早めに気づき、医療機関と連携して適切なケアをすることが大切です。日頃のスキンケア、衣服選び、清潔維持など家庭でできる予防策を意識して実践することで再発防止や重症化予防につながります。

岩間こどもクリニックでは、お子さま一人ひとりの肌の状態や症状を丁寧に診察し、最適な治療方法を提供するとともに、家庭での具体的なケア方法や再発予防策についても詳しく指導しています。お子さまの肌トラブルは小さなうちに適切な対応をとることが重要です。少しでも気になることや不安なことがあれば、ぜひ早めにご相談ください。私たちがご家族とともに、お子さまの健康で快適な生活を全力でサポートいたします。

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