気管支炎とは、肺に空気を送る通路である「気管支」の粘膜が炎症を起こす病気です。子どもに多く発症し、特に乳幼児や小学校低学年の子どもによく見られます。咳や痰、発熱などの症状が特徴的で、適切な治療を受ければ比較的早く回復しますが、治療が遅れると症状が長引き、慢性的な咳に悩まされることもあります。
気管支炎
bronchitis
気管支炎
bronchitis
気管支炎とは、肺に空気を送る通路である「気管支」の粘膜が炎症を起こす病気です。子どもに多く発症し、特に乳幼児や小学校低学年の子どもによく見られます。咳や痰、発熱などの症状が特徴的で、適切な治療を受ければ比較的早く回復しますが、治療が遅れると症状が長引き、慢性的な咳に悩まされることもあります。
気管支炎の症状は、初めは風邪のような軽い鼻水やくしゃみから始まることが多く、その後に咳が目立つようになります。咳は次第に痰を伴い、夜間や明け方に悪化する傾向があります。発熱を伴うことも多く、38℃前後の微熱が5日以上続くことも珍しくありません。
子どもは痰をうまく吐き出せないため、痰が絡んだ咳が続きます。また、乳幼児では呼吸困難や呼吸音にゼーゼーという音が混じる喘鳴を伴うこともあります。こうした症状が続く場合には早めの医療機関の受診が必要です。
気管支炎には「急性」と「慢性」があります。急性気管支炎は一般的な風邪やインフルエンザなどの感染症をきっかけに急に症状が出るもので、数日から2週間ほどで治ります。一方、慢性気管支炎は症状が3か月以上続く状態を指し、子どもではまれですが、アレルギーや喘息を併発している場合には長引くこともあります。
気管支炎は主にウイルス感染が原因となります。特にRSウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスなどが一般的です。これらのウイルスが気道に侵入すると、気管支の粘膜が炎症を起こし、腫れや痰が発生して気道を狭くしてしまいます。
また、ウイルス感染の後に細菌感染が加わることもあり、その場合は抗生物質による治療が必要となります。
子どもの気管支炎では、風邪の症状から徐々に悪化する咳や痰が特徴的です。特に咳は夜間に悪化し、子どもの睡眠を妨げることがあります。痰は黄色や緑色の濃い粘り気があり、乳幼児はこれを吐き出すことが難しく、嘔吐を伴うこともあります。
呼吸が苦しくなり、ゼーゼーと音を立てている場合は特に注意が必要です。このような症状が見られる場合は、迅速に医療機関を受診する必要があります。
気管支炎は適切な治療を受ければ短期間で改善しますが、症状が長引くと子どもの体力が消耗し、日常生活や学校生活に影響を与えることがあります。特に咳が長期間続くことで睡眠不足になり、体調不良や集中力の低下を引き起こします。また、繰り返す気管支炎は喘息への移行のリスクを高めることもあるため、注意が必要です。
診断は主に症状の経過や診察による呼吸音の確認で行います。必要に応じて胸部レントゲン検査や血液検査を行い、肺炎などの他の疾患との区別をすることもあります。症状が重い場合や喘鳴が目立つ場合には、呼吸機能検査や酸素飽和度の測定も併せて実施します
気管支炎の治療は主に対症療法であり、咳や痰を和らげるための去痰薬や咳止め薬が使われます。細菌感染が疑われる場合は抗生物質を処方することもありますが、ウイルス感染が原因の場合には抗生物質は使用せず、安静にして薬を飲みながら回復を待つことが基本となります。
症状が強く呼吸が困難な場合や脱水症状がある場合は、点滴や入院による治療が必要になることもあります。
家庭では以下のポイントを押さえたケアを心がけましょう。
日常の予防としては、手洗いやうがいの励行、十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事が効果的です。特に感染症が流行している時期には、人混みを避けることも予防策として有効です。
咳や痰が長引く場合、症状が悪化する兆候を見逃さないよう注意しましょう。特に乳幼児では呼吸困難を訴えることができないため、保護者が呼吸の状態をよく観察し、異常があれば速やかに受診することが重要です。
岩間こどもクリニックでは、気管支炎の診断から治療、再発予防までをトータルでサポートしています。ご家庭での具体的なケア方法についても丁寧に指導を行いますので、お子さまの症状に不安がある場合はいつでもお気軽にご相談ください。
子どもたちが健康で元気に過ごせるよう、スタッフ一同、全力でサポートいたします。
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