便秘

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子どもの便秘症とは?原因・症状・治療法・予防方法を徹底解説 - 岩間こどもクリニック(小児科)

子どもの便秘症とは

子どもの便秘症は、うんちが出にくく、排便がスムーズに行われない状態を指します。
便秘は一時的に便が出ないだけでなく、便が硬く出にくい状態が続くことや、排便する際に痛みや不快感を伴う場合も含まれます。
便秘は、年齢や発達段階によって異なる基準があり、乳幼児と幼児期以降の便秘症の定義は異なります。
便秘は成長に影響を及ぼすことがあるため、便秘のサインに気づいたら早めに対処することが重要です。

便秘症の特徴(年齢ごとに異なる便秘のサイン)

便秘の定義は、子どもの年齢によって異なります。
例えば、母乳やミルクのみを摂取している乳幼児は、数日間便が出なくても、必ずしも便秘とは限りません。
一方、離乳食が始まると便の回数が安定し、2~3日排便がない、便が硬い、いきむのがつらそうなどの症状が見られると、便秘のサインとなります。
幼児期に入ると排便の頻度も増え、健康的な排便リズムが整うことが望ましいため、便秘の症状が続く場合は医師に相談することが勧められます。

子どもの便秘が発育に与える影響

便秘が続くと、便が腸内に溜まりお腹が張ったり、腹痛を引き起こすことがあります。
さらに、便秘が原因で食欲不振になり、十分な栄養が摂取できないと成長に影響を与えることがあります。
長期間の便秘は腸内環境を乱し、体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、便秘の兆候を見逃さずに早めに対処することが大切です。
子どもが便秘になることで不快感やストレスを感じやすくなるため、便秘を予防・解消するための環境づくりを心がけましょう。

子どもの便秘症の主な原因

子どもの便秘症には、さまざまな原因が関わっています。
まず、排便が痛かったり、トイレが怖かったりすると、排便を我慢するようになり、それが便秘に繋がることがあります。
また、遊びに夢中でトイレに行くのを忘れてしまったり、便を漏らして怒られた経験から排便を我慢するケースも多いです。
さらに、食物繊維や水分が不足している食事も便秘の原因になります。
特に離乳食が始まった段階から、食物繊維を多く含む食材を取り入れることが大切です。

便意を我慢することが便秘につながる理由

子どもは、排便時に感じる痛みや不快感に敏感で、こうした経験から排便を我慢することがよくあります。
例えば、一度便秘で硬い便を排出する際に痛みを感じると、その記憶から「うんちをするのが痛い」という意識が生まれ、排便を避けようとすることがあります。
また、外出先や学校など、自宅以外でトイレに行くことに抵抗を感じる子も多く、便意を我慢してしまうケースも少なくありません。
排便を我慢すると、便が腸内でさらに硬くなり、結果として便秘が悪化する悪循環に陥ることがあります。

食事の影響(食物繊維と水分の重要性)

食物繊維や水分の不足も子どもの便秘を引き起こす大きな要因です。
食物繊維は腸内で便のかさを増し、腸の動きを促進する働きがありますが、野菜や果物、海藻類の摂取が不足すると便秘を招きやすくなります。
また、水分も便を柔らかくするために重要な役割を果たしており、特に活動量が多く汗をかきやすい子どもには、十分な水分補給が欠かせません。
離乳食が始まったら、毎日の食事に食物繊維が豊富な食品を取り入れ、こまめな水分補給を心がけることが便秘の予防につながります。

3日以上排便がない場合は要注意

子どもが3日以上排便がない状態が続く場合、便秘が原因で体調に影響が出ている可能性があります。排便の頻度は年齢や食生活によって異なりますが、幼児期以降であれば通常毎日もしくは2日に1回程度の排便が理想です。
排便が2~3日間ない場合は便秘を疑い、お腹の張りや不快感がないかを確認し、必要に応じて医師に相談すると安心です。
便秘が長引くことで、お子さんにとって排便がさらに苦痛に感じられ、症状が慢性化する恐れがあるため、早期対応が重要です。

子どもの便秘症の治療

便秘症の治療には、まず便の状態や排便のリズムを確認することが重要です。
問診により、便の柔らかさや硬さ、排便の頻度についての情報を得た後、適切な治療方法が決定されます。
通常、便を柔らかくして排出を助ける薬が処方され、便が出やすい状態を作ります。
治療には、家庭で行える座薬や浣腸を使用することもあります。
家庭での浣腸や座薬の使い方についても、クリニックで指導を受けることで安心して治療を続けられます。便秘は早期に対処することで症状が改善しやすくなるため、気になる場合は早めに医師に相談しましょう。

便秘症の予防

便秘を防ぐためには、日常生活での習慣が非常に重要です。
規則正しい生活リズムを整え、適切な時間に排便できるようにトイレに行く習慣を身につけさせましょう。
朝食後やリラックスできる時間にトイレに誘導することで、自然な排便のリズムが整います。
また、子どもがトイレに行くことに抵抗感を持たないよう、トイレに長時間座らせることは避け、無理強いすることなくリラックスした雰囲気を作ってあげることも大切です。
こうした生活習慣の工夫により、自然に排便が促され、便秘予防に繋がります。

食物繊維を多く含む食材の紹介

便秘予防のために取り入れたい食物繊維が豊富な食材には、野菜、果物、海藻、豆類などがあります。
具体的には、キャベツや人参、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜類、りんごやバナナといった果物、わかめやひじきなどの海藻類が特に効果的です。
また、豆類や全粒穀物にも豊富な食物繊維が含まれており、便秘解消に役立ちます。
これらの食材をバランス良く毎日の食事に取り入れることで、腸内の環境が整いやすくなり、自然な排便を促進することが期待できます。

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