夜泣き

crying at night

夜泣きとは?子どもが夜泣きをする原因と疾患・家庭でできる対処法を小児科医が詳しく解説

夜泣きとは?

夜泣きとは夜間に突然泣き出し、なかなか泣き止まない子どもの行動を指します。特に生後6ヶ月~2歳頃の乳幼児期に多く見られ、具体的な原因が特定しにくいため保護者を悩ませることが多い症状です。子どもは言葉で症状を伝えられないため、不快感や痛み、環境の変化などを泣くことで伝えようとします。

子どもが夜泣きをした際の注意点

子どもが夜泣きをした場合、まず以下のポイントに注意して対応しましょう。


  • 子どもを強く揺さぶったり叱ったりせず、優しく落ち着かせる。
  • 体調の異常や発熱、痛みなどの病的要素がないか注意深く観察する。
  • 生理的欲求や環境要因が原因でないか確認し、改善を試みる。

子どもが夜泣きをした際の家庭での対処法

家庭でできる基本的な対処法は以下の通りです。


  • 抱っこや優しい声かけで安心感を与える。
  • おむつの状態や空腹など、生理的欲求を満たしてあげる。
  • 寝室環境(明るさ、室温、音など)を整え、落ち着いた雰囲気を作る。
  • 子どもが落ち着くまでそばに寄り添い、静かに見守る。

夜泣きを起こす代表的な原因・疾患

  • 疾患(気道狭窄、中耳炎など)の特徴と原因
    疾患が原因で夜泣きをする場合があります。例えば、気道狭窄(クループなど)では夜間に咳や息苦しさが悪化して泣き出すことがあります。また、中耳炎では耳の痛みが夜間に強くなるため、突然激しく泣き出すことがあります。これらの場合は症状が明確であり、医療機関での診察と治療が必要です。
  • 生理的要因(空腹、おむつなど)の特徴と原因
    赤ちゃんや小さい子どもは空腹やおむつの濡れなど生理的欲求を伝えるために夜泣きをすることがあります。授乳間隔やおむつ交換のタイミングを調整し、子どもの欲求を満たすことで改善されるケースが多いです。
  • 環境要因(暑い、明るいなど)の特徴と原因
    寝室の環境が子どもにとって不快である場合、夜泣きの原因になります。室温が高すぎる、湿度が低い、明るすぎる、騒音があるなどの環境要因が考えられます。環境を適切に調整することが改善につながります。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早めに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・夜泣き以外に発熱や咳、鼻水、嘔吐などの症状がある場合
    ・耳を頻繁に触るなど痛がる素振りを見せる場合
    ・泣き方がいつもと違い、激しい場合や異常な様子が見られる場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・呼吸が苦しそうで顔色が青白い(チアノーゼ)場合
    ・激しいけいれんや意識がはっきりしない場合
    ・突然ぐったりして反応が乏しくなった場合

夜泣き後の家庭でのケアと過ごし方

夜泣きが落ち着いた後は、静かで安心できる環境を整え、子どもをリラックスさせましょう。翌日の生活リズムを整えるためにも、日中に適度な運動をさせ、規則正しい睡眠リズムを保つことが重要です。

再発を防ぐための日常生活の注意点

夜泣きを防ぐためには以下のポイントを日常的に意識しましょう。


  • 規則正しい生活リズムを整える(昼間は十分な運動と刺激、夜は静かな環境を作る)。
  • 就寝前の刺激的な活動を控える(テレビやスマホの画面を避ける)。
  • 日常的なスキンシップを増やし、子どもに安心感を与える。
  • 寝室環境(温度、湿度、光)を適切に管理する。

よくある質問

夜泣きはいつ頃から落ち着きますか?
一般的に生後6ヶ月頃から始まり、1歳〜2歳頃には徐々に落ち着くことが多いです。
夜泣きに効果的な寝かしつけ方法はありますか?
抱っこや子守唄、優しく背中をトントンするなど子どもが安心できる方法を見つけてください。
夜泣きは病気の可能性がありますか?
頻繁に続く場合は中耳炎や気道狭窄など病気が隠れている場合があり、診察をおすすめします。
夜泣きは放置しても良いですか?
短時間なら見守る程度でも構いませんが、子どもが激しく泣いている場合は安心させてあげましょう。
寝室は暗くしたほうが良いですか?
できるだけ暗く落ち着いた環境を整えると睡眠が促され、夜泣きが改善しやすくなります。
夜泣きが酷い時、睡眠薬は使えますか?
子どもへの睡眠薬使用は通常行われません。自己判断せず医師に相談してください。
夜泣きを改善する食事や飲み物はありますか?
寝る前に刺激物を避け、温かいミルクなど安心感を与える飲み物が効果的な場合があります。
夜泣きにイライラしますが、どう対処すればいいですか?
保護者自身の休息も重要です。パートナーや家族の協力を得て、休息の時間を作りましょう。

まとめ

夜泣きは子どもが成長する過程で多くの家庭が経験する症状ですが、原因や対応法がわからず、保護者にとっては大きなストレスになることも珍しくありません。夜泣きには空腹やおむつなど生理的要因、寝室環境の不快感といった環境要因、さらには中耳炎や気道狭窄などの病気が潜んでいるケースまでさまざまな原因があります。

生理的要因や環境要因が原因の場合は、家庭でのケアや環境整備により比較的容易に改善が見込めます。一方で、中耳炎や気道狭窄といった疾患が原因の場合は、適切な診断と治療が必要となり、放置すると症状が悪化してしまうリスクがあります。そのため、夜泣きが頻繁に続く場合や、普段と違う泣き方をしている場合は、早めの医療機関の受診が大切です。

また、夜泣きが続くと子どもの睡眠不足や生活リズムの乱れを招き、成長や発達に影響を及ぼす可能性があります。さらには家庭全体の睡眠不足やストレスにつながり、育児不安や家庭内の不和につながることもあります。これらを防ぐためにも、夜泣きの原因を正しく把握し、早期の適切な対応を心がけましょう。

岩間こどもクリニックでは、子どもの夜泣きに対して丁寧に診察し、個々の原因や状況に応じたきめ細かなケアやアドバイスを行っています。ご家庭でできる具体的な対処法や生活環境の整え方についても分かりやすくご説明いたします。

子どもたちが安心してぐっすり眠れるように、また保護者の方が安心して育児ができるように、少しでも気になる症状や悩みがあればお気軽にご相談ください。私たちは子どもとご家族の快適な毎日を全力でサポートいたします。

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