手足口病

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【医師監修】手足口病は大人にもうつる?予防法・治療法・登園目安を解説|岩間こどもクリニック

手足口病の症状と特徴を小児科医が解説

手足口病は、主に乳幼児がかかりやすいウイルス性の感染症です。夏に流行することが多く、保育園や幼稚園などで集団感染が起こるケースも少なくありません。

特徴的な症状として、口の中や手足などに水疱性の発疹が現れます。多くの場合、発熱を伴いますが、比較的軽症で経過し、1週間程度で自然に治癒することがほとんどです。しかし、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

手足口病の主な症状は、口の中に小さな水疱ができ痛みを伴う口内炎、手のひら、足の裏、指の間などに赤い発疹や水疱が現れる手足の発疹、そして38度前後の発熱です。高熱が続くことは稀です。これらの症状に加えて、食欲不振、倦怠感、嘔吐などを伴うこともあります。

手足口病は乳幼児に多く、夏に流行し、感染力が強い病気です。軽症で経過することが多いですが、まれに重症化することもあります。感染力が強く、子ども同士の接触で簡単に感染が広がってしまうため、予防対策が重要です。岩間こどもクリニックでは、手足口病の診断・治療を行っておりますので、お子様に手足口病の症状が見られる場合は、早めに受診することをおすすめします。

手足口病の原因ウイルスと感染経路を詳しく解説

手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16、コクサッキーウイルスA6、エンテロウイルス71といったウイルスによって引き起こされます。これらのウイルスは、感染者の唾液、鼻水、便などに含まれており、接触感染、飛沫感染、経口感染といった経路で感染します。

接触感染は、ウイルスが付着したおもちゃやドアノブなどを触ることによって、飛沫感染は感染者の咳やくしゃみなどを吸い込むことによって、経口感染はウイルスが付着した手を口に入れることによって感染します。特に、手足口病にかかりやすい年齢層の乳幼児は、手指を口に入れることが多いため、感染のリスクが高くなります。

また、手足口病を発症した人の便には、発症後数週間もの間、ウイルスが排出されるため、オムツ交換やトイレの後などは、しっかりと手洗いをすることが重要です。

手足口病の感染経路と予防策

手足口病は、接触感染、飛沫感染、経口感染によって感染します。主な感染経路は、保育園や幼稚園など、子ども同士の接触が多い場所、家庭内での感染、おもちゃや絵本などの共有、ドアノブや手すりなど、不特定多数の人が触れる場所などです。

感染を防ぐためには、こまめな手洗い、うがい、マスクの着用、おもちゃや身の回りのものの消毒、適切な換気、人混みを避けるなどの予防策が有効です。これらの予防策を徹底することで、手足口病の感染リスクを大幅に減らすことができます。

手足口病の症状

手足口病の症状は、感染してから3~5日程度の潜伏期間を経て現れます。主な症状は、手のひら、足の裏、口の中、おしりなどに赤い発疹や水疱が現れる発疹、口の中に水疱ができ痛みを伴うため、食事や水分摂取が困難になることもある口内炎、そして38度前後の発熱です。
高熱が続くことは稀です。これらの症状に加えて、食欲不振、倦怠感、嘔吐、下痢などを伴うこともあります。

症状の程度には個人差があり、軽い症状で済む場合もあれば、重症化する場合もあります。特に、エンテロウイルス71による手足口病は、重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。

手足口病の家庭での対処法

手足口病は、多くの場合、特別な治療を必要とせず、自宅で安静にしていれば1週間程度で自然に治癒します。
家庭での対処法としては、以下の点に注意しましょう。


  • うがい、手洗いを徹底する
  • 十分な睡眠と休息をとり安静にする
  • 脱水を防ぐため、こまめに水分摂取をする
  • 口内炎がある場合は、刺激の少ない飲み物や柔らかく消化の良いものを与える
  • 発疹がかゆい場合は保冷剤などで冷やすことでかゆみを和らげる
  • 発疹や水疱を清潔に保ち、二次感染を防ぐ

高熱が続く場合や、嘔吐や下痢がひどい場合、ぐったりしている場合などは、早めに医療機関を受診しましょう。

手足口病の診断・治療

手足口病の診断は、主に臨床症状に基づいて行われます。医師は、口の中や手足の発疹、発熱などの症状を確認し、手足口病と診断します。場合によっては、ウイルス検査を行うこともあります。

手足口病に特効薬はありません。治療は、主に症状を和らげる対症療法が中心となります。
発熱がある場合、解熱剤を使用します。また口内炎や発疹の痛みを和らげるために、鎮痛剤を使用します。かゆみが強い場合には、和らげるために外用薬を使用することがあります。

手足口病の流行時期

手足口病は、主に夏に流行すると言われています。ただし近年では、春や秋にも流行がみられることがあります。
手足口病は、感染力が強いため、保育園や幼稚園などで集団感染が起こりやすいです。流行時期には、特に予防対策を徹底することが重要です。

手足口病とヘルパンギーナの違いは?

手足口病とヘルパンギーナは、どちらもウイルス性の感染症で、乳幼児に多くみられます。症状も似ていますが、原因ウイルスや症状の出方に違いがあります。

手足口病はコクサッキーウイルスA16、A6、エンテロウイルス71などによって引き起こされ、口内炎、手足の発疹、発熱などの症状が現れます。発疹の特徴として、手のひら、足の裏、口の中、おしりなどに水疱性の発疹が現れます。一方、ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスA群、エンテロウイルスなどによって引き起こされ、突然の高熱、咽頭痛、口内炎などの症状が現れます。発疹の特徴として、口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋、扁桃などに水疱や潰瘍ができます。

手足口病とヘルパンギーナの主な違いは、手足口病は手足に発疹が出ますが、ヘルパンギーナは手足に発疹が出ない点、そしてヘルパンギーナは高熱が出ることが多いですが、手足口病は高熱が出ないことが多い点です。どちらも、特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。

手足口病はいつまで登園禁止?治るまでの期間

手足口病は、学校保健安全法で「出席停止」について明記された疾患ではありません。 症状がおさまった後もウイルスが排出される可能性がありますが、その期間すべてを欠席にするのは現実的でないため、患者さんの体調によって判断することが望ましいといえます。
一般的に、手足口病は1週間程度で治癒しますが、症状の程度や個人差によって治るまでの期間は異なります。解熱し、口内炎や発疹の症状が改善したら、登園・登校が可能となります。ただし、保育園や幼稚園によっては、独自の基準を設けている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

手足口病は大人にもうつる?症状と注意点

手足口病は、主に乳幼児がかかりやすい病気ですが、大人も感染することがあります。ただし、大人はすでに手足口病のウイルスに対する免疫を持っていることが多いため、感染しても発症しないか、軽い症状で済むことが多いです。

大人の手足口病の症状は、軽度の発熱、口内炎、手足の発疹などです。大人でも、まれに重症化することがあります。免疫力が低下している人は、重症化しやすいため、注意が必要です。感染を広げないために、手洗い、うがい、マスクの着用などの予防対策を徹底しましょう。

手足口病の予防

手足口病は、ワクチンがないため、感染予防が重要となります。
主な予防策は、手洗い、うがい、マスクの着用、おもちゃや身の回りのものの消毒、適切な換気、人混みを避けるなどです。
これらの予防策を徹底することで、手足口病の感染リスクを低減することができます。

手足口病に関するよくある質問

手足口病に関するよくある質問をいくつかご紹介します。


手足口病は何度でもかかりますか?
はい、手足口病は何度でもかかる可能性があります。
原因となるウイルスは複数あり、一度かかったウイルスに対して免疫ができても、別のウイルスに感染する可能性があります。
手足口病にかかったら、お風呂に入ってもいいですか?
はい、お風呂に入っても構いません。
ただし、発疹をこすらないように優しく洗いましょう。
手足口病の治療薬はありますか?
手足口病に特効薬はありません。
治療は、主に症状を和らげる対症療法が中心となります。
手足口病は妊娠中に感染すると、胎児に影響がありますか?
妊娠中に手足口病に感染しても、胎児に影響が出ることはほとんどありません。
ただし、心配な場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

手足口病かも?クリニックを受診するタイミング

お子様に口の中に水疱や発疹がある、手のひらや足の裏に発疹がある、発熱が続く、食欲不振や嘔吐がある、元気がない、ぐったりしているなどの症状が見られる場合は、早めにクリニックを受診しましょう。
特に、乳幼児や免疫力が低下している場合は、重症化しやすいため、注意が必要です。岩間こどもクリニックでは、手足口病の診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

手足口病の自宅ケアのポイント

自宅ケアのポイントとしては、安静、水分補給、食事、口腔ケア、スキンケア、二次感染予防などが挙げられます。

手足口病の合併症

手足口病は、多くの場合、軽症で経過しますが、まれに合併症を引き起こすことがあります。
主な合併症は、髄膜炎、脳炎、心筋炎、肺炎などです。これらの合併症は、エンテロウイルス71による手足口病で起こりやすいです。
お子様に高熱が続く、嘔吐がひどい、ぐったりしている、意識がもうろうとしているなどの症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

手足口病の水疱

手足口病の特徴的な症状の一つに、水疱があります。
水疱は、手のひら、足の裏、口の中、おしりなどに現れます。
大きさは2~3mm程度で、透明または白っぽい色をしています。
水疱は、痛みやかゆみを感じることもありますが、通常は数日でかさぶたになり、跡を残さずに治ります。水疱を破ると、ウイルスが拡散し、感染を広げてしまう可能性があるため、注意しましょう。
水疱がかゆい場合は、冷やしたり、保湿剤を塗ったりして、かゆみを和らげましょう。

手足口病と水疱瘡の違い

手足口病と水疱瘡は、どちらも発疹を伴うウイルス性の感染症ですが、原因ウイルスや症状が異なります。

手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされ、口の中や手足に水疱性の発疹が現れます。
一方、水疱瘡は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされ、全身に水疱性の発疹が現れます。
水疱瘡は、手足口病よりも発疹の数が多く、かゆみも強い傾向があります。
どちらも、感染力が強い病気ですが、水疱瘡はワクチンで予防することができます。

手足口病で発熱が続く場合は?

手足口病では、発熱がみられることがありますが、通常は38度前後の軽度な発熱で、数日で解熱します。
しかし、まれに高熱が続く場合や、解熱剤を使っても熱が下がらない場合があります。
高熱が続く場合は、脱水症状や合併症のリスクが高くなるため、医療機関を受診しましょう。
また、発熱以外にも、嘔吐や下痢がひどい場合、ぐったりしている場合、意識がもうろうとしている場合なども、すぐに医療機関を受診しましょう。

手足口病の再感染はある?

手足口病は、一度かかっても、再び感染することがあります。
原因となるウイルスは複数あり、一度かかったウイルスに対して免疫ができても、別のウイルスに感染する可能性があります。
そのため、一度手足口病にかかったことがある人でも、油断せずに予防対策を徹底することが重要です。

手足口病の感染拡大を防ぐ

手足口病は、感染力が強いため、家庭や保育園、幼稚園などで感染が広がりやすいです。
感染拡大を防ぐためには、手足口病にかかったら、早めに医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。
登園・登校の基準を守りましょう。
また手洗い、うがい、マスクの着用などの予防対策を徹底しましょう。
タオルや食器などの共有は避けましょう。
おもちゃや身の回りのものは、定期的に消毒し、適切な換気を行いましょう。これらの対策を徹底することで、手足口病の感染拡大を防ぐことができます。

手足口病になったら?学校・保育園に伝えること

お子様が手足口病と診断されたら、学校や保育園に連絡し、手足口病と診断されたこと、発症日、症状、医師の指示、登園・登校の予定などを伝えましょう。
学校や保育園では、手足口病の感染拡大を防ぐために、必要な対策をとることになります。

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