ヒブワクチン

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ヒブワクチン(Hibワクチン)とは?子どもを重症感染症から守るための接種時期・回数・副反応について小児科医が解説

ヒブ(Hib)とはどのような菌か?

ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型、Haemophilus influenzae type b)は、乳幼児に重い感染症を引き起こす細菌です。ヒブが原因で起きる病気には細菌性髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎などがあります。これらの感染症は重症化しやすく、命に関わることや後遺症を残すことがあります。ヒブワクチンの定期接種が開始されてからは感染が大幅に減少しています。

ヒブワクチンで予防できる主な疾患

ヒブワクチンで予防可能な主な病気には以下のようなものがあります。


  • 細菌性髄膜炎(脳や脊髄の髄膜の炎症)
  • 喉頭蓋炎(喉の奥が急激に腫れ呼吸困難を引き起こす)
  • 肺炎
  • 敗血症(血液中で細菌が増殖し、全身に広がる重症感染症)

特に細菌性髄膜炎は重い後遺症を残す可能性が高いため、予防が非常に重要です。

ヒブワクチンの接種時期とスケジュール(五種混合ワクチンとして接種)

ヒブワクチンの標準的な接種スケジュールは次の通りです。


  • 生後2か月:初回接種
  • 生後3か月:2回目接種
  • 生後4か月:3回目接種
  • 生後12~18か月の間:追加接種(合計4回)

複数回接種することで、確実に免疫力を高めます。なるべくスケジュールに沿って接種を進めましょう。

なぜ複数回の接種が必要なのか?

乳幼児の免疫は未熟なため、1回の接種では十分な免疫を得られません。複数回の接種によって免疫力をより強固にし、効果を長期的に維持できるようになります。

接種を逃した場合の対応法

もし接種のタイミングを逃した場合は以下の対応を取ってください。


  • できるだけ早く接種を開始または再開する
  • 医師に相談し、年齢に応じた適切な接種回数でスケジュールを再設定する

接種開始が遅れても免疫効果を得ることは可能ですので、あきらめずに接種を進めましょう。

ヒブワクチンの安全性と主な副反応

ヒブワクチンは安全性が高く、重篤な副反応は非常にまれですが、主な副反応として以下のようなものがあります。


  • 接種部位の赤みや腫れ
  • 軽い発熱(37.5〜38℃前後)
  • 不機嫌、食欲低下
  • まれに高熱やけいれん(極めてまれ)

ほとんどは数日以内に自然に回復しますが、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。

他のワクチンとの同時接種について

ヒブワクチンは以下のような他の予防接種と同時に受けることができます。


  • 肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン
  • ロタウイルスワクチン

同時接種は安全性が確認されており、通院回数を減らせるため子どもや保護者の負担軽減にもつながります。

予防接種を受ける際の注意点

接種当日に発熱や体調不良がある場合は接種を延期します。アレルギー歴がある場合は事前に必ず医師に伝えましょう。

よくある質問

ヒブワクチンは必ず接種したほうがよいですか?
はい。ヒブワクチンは乳幼児がかかると重症化しやすい細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎を予防するため、接種を受けることをおすすめします。特に小さい子どもは重症化リスクが高いため、定期的な予防接種が重要です。
副反応が心配です。ヒブワクチンの副反応にはどのようなものがありますか?
ヒブワクチンは安全性が高く、主な副反応は接種部位の赤みや腫れ、軽い発熱、不機嫌など軽度のものがほとんどです。通常は数日以内に治まりますが、稀に高熱やけいれんが見られる場合があります。心配な症状があれば早めに医師に相談してください。
接種のタイミングを逃してしまいました。今からでも接種できますか?
はい、できます。接種が遅れた場合でも、年齢に応じた適切な回数とスケジュールで接種を行うことで十分な免疫を得ることができます。具体的な接種スケジュールについては、小児科医にご相談ください。
ヒブワクチンは他のワクチンと同時に接種できますか?
はい、できます。ヒブワクチンは、肺炎球菌ワクチンやロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチンなど、他の定期予防接種と安全に同時接種が可能です。同時接種することで病院への通院回数が減り、お子さまや保護者の負担も軽減されます。
ワクチン接種当日、子どもに熱がある場合はどうすればよいですか?
接種当日に明らかな発熱(37.5℃以上)や体調不良がある場合は、無理に接種を行わず延期します。症状が治まってから、再度日程を調整して接種を受けてください。
ヒブワクチンの接種は有料ですか?無料ですか?
ヒブワクチンは定期接種のため、基本的に無料(公費負担)で接種できます。詳しい内容は各自治体によって異なりますので、ご自身がお住まいの自治体の案内をご確認ください。
一度接種したら一生免疫が続きますか?
ヒブワクチンは乳幼児期の重症感染症を予防することを目的としており、幼児期に複数回接種することで十分な免疫力を獲得します。その後の追加接種は通常不要ですが、免疫が一生涯続くかについてはまだ研究が続けられています。
ヒブワクチンを受ければインフルエンザにもかかりませんか?
いいえ、ヒブワクチンはヘモフィルスインフルエンザ菌b型による感染症を予防するもので、季節性のインフルエンザウイルスによる感染症には効果がありません。インフルエンザの予防には、別途インフルエンザワクチンの接種が必要です。

岩間こどもクリニックの予防接種サポート体制

当院では予防接種スケジュールの調整、接種後の副反応のご相談など、総合的にサポートいたします。気になることがありましたらいつでもご相談ください。お子さまが安心して予防接種を受けられるようスタッフ全員でお手伝いいたします。

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