体温が高い

high body temperature

体温が高い原因は?子どもの発熱で疑われる疾患と対処法を小児科医が詳しく解説

子どもが体温が高くなる理由

子どもの発熱は感染症に対する免疫反応の一つです。ウイルスや細菌が体内に侵入すると、それらを排除するために体温が上昇します。特に乳幼児期は免疫が未熟なため、さまざまな感染症にかかりやすく、発熱する機会も多くなります。

子どもの体温が高くなった際の注意点

お子さまの体温が高いときには、以下の点を注意して観察しましょう


  • 正確に体温を測定し、記録する。
  • 水分補給をこまめに行い、脱水症状を防ぐ。
  • 呼吸困難や意識障害、けいれんなど重症化のサインに注意を払う。

家庭での適切な対処法

家庭での基本的な発熱への対処法は以下の通りです。


  • 部屋の温度や湿度を快適に調整し、涼しく過ごせる環境を作る。
  • こまめな水分補給を心がけ、脱水を防ぐ。
  • 熱が高いときは、脇の下を冷たいタオルで冷やして体を楽にする。
  • 症状が改善しない、または悪化する場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

体温が高くなる代表的な疾患と特徴

  • インフルエンザの特徴と原因
    インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、突然の高熱(38~40℃)、全身倦怠感、筋肉痛、咳などが特徴的です。特に乳幼児は症状が急激に悪化しやすく、肺炎や脳症などの重篤な合併症を起こす場合があります。早期に抗インフルエンザ薬を使用することで症状が軽快します。感染予防には毎年の予防接種が効果的です。
  • RSウイルスの特徴と原因
    RSウイルスは呼吸器系に感染するウイルスで、主に乳幼児に多くみられます。初期症状として鼻水や軽度の咳があり、その後発熱や強い咳、喘鳴(ゼーゼーする呼吸)が現れます。乳児期には細気管支炎や肺炎を起こしやすく、呼吸困難を伴うことがあります。こまめな鼻水のケアや湿度調整、水分補給が重要で、早めに医療機関の受診が必要です。
  • アデノウイルスの特徴と原因
    アデノウイルスは呼吸器、目、腸管に感染し、多様な症状を引き起こします。高熱が数日間続き、咽頭炎(プール熱)、結膜炎(流行性角結膜炎)を伴うことが多く、のどの痛みや目の充血、涙目などが特徴です。感染力が強く、集団感染を起こすため、感染予防が重要となります。症状の持続期間は比較的長く、安静と十分な水分補給が必要です。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の症状がある場合は、早期に医療機関を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・発熱が2~3日以上続く場合
    ・呼吸が苦しそう、または喘鳴(ゼーゼー)を伴う場合
    ・水分が摂れない、または脱水症状が見られる
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・高熱でけいれんを起こした場合
    ・呼吸困難や意識障害がある場合
    ・ぐったりして元気がなく、緊急性が高い場合

症状が落ち着いた後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も、数日は安静を保ち、栄養バランスのよい食事と水分補給をしっかり行いましょう。無理な活動は控え、ゆっくりと体力を回復させることが大切です。

再発を防ぐための日常生活の注意点

感染症の再発予防には以下を日常的に実践しましょう。


  • 手洗い、うがいを徹底する。
  • 規則正しい生活習慣を心がけ、十分な休息をとる。
  • 感染症流行期には人混みを避け、感染予防を意識する。
  • 定期的な予防接種を受ける。

よくある質問

インフルエンザの予防接種は毎年必要ですか?
はい、インフルエンザウイルスは毎年型が変わるため、毎年の接種が推奨されます。
RSウイルスに一度かかるともう感染しませんか?
何度も感染する可能性がありますが、初回感染が最も症状が重くなります。
アデノウイルスの感染予防のポイントは?
手洗いやうがいを徹底し、タオルや食器などの共有を避けることが大切です。
発熱時にお風呂に入れてもよいですか?
高熱でなければ短時間の入浴でサッと汗を流すのは問題ありませんが、入浴後の冷えには注意しましょう。
熱さましの薬はどのタイミングで使うべきですか?
高熱でつらそうなときや眠れない場合に使うとよいでしょう。医師の指示に従い使用してください。
RSウイルスに感染した場合、保育園や幼稚園はどれくらい休むべきですか?
発熱や呼吸器症状が落ち着き、元気が回復するまで休むことが望ましいです。
アデノウイルス感染症で目が赤くなった場合の対応は?
目を清潔に保ち、他人への感染を防ぐため、タオルを共用しないように注意しましょう。
子どもの熱はどの程度から注意が必要ですか?
一般的に38℃を超えると注意が必要で、医療機関の受診を検討してください。

まとめ

子どもの発熱は、体が感染症と闘っている証拠ですが、原因となる疾患によっては重症化や合併症のリスクもあります。インフルエンザ、RSウイルス、アデノウイルス感染症はそれぞれ症状や経過が異なり、適切な対処方法も異なります。インフルエンザは急激な高熱が特徴であり、早期の抗インフルエンザ薬使用が重要です。RSウイルス感染症は呼吸器症状が重症化することがあり、乳幼児では特に注意が必要です。アデノウイルス感染症は高熱が長く続き、のどや目にも症状が出るため、家庭や集団内での感染予防が重要です。

子どもの症状変化は急激であるため、保護者が日常的に注意深く観察し、異常が見られた場合には迅速に医療機関を受診することが求められます。発熱時の適切な水分補給や環境管理、症状に応じた対応は家庭でも実践でき、重症化予防に役立ちます。

岩間こどもクリニックでは、それぞれの疾患の特徴をしっかり見極め、症状に応じた治療やケアを提供しています。また、再発や重症化を防ぐための日常的な予防策やケアの方法についても丁寧にご説明し、家庭が安心して対処できるようサポートしています。

お子さまが健康で快適な毎日を過ごすためには、発熱などの症状を軽視せず、早期に適切な対応をとることが大切です。少しでも不安な症状や疑問があれば、ぜひ早めに岩間こどもクリニックまでご相談ください。私たちがご家族と協力し、お子さまの健やかな成長を全力でサポートいたします。

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