蕁麻疹
hives
蕁麻疹
hives
蕁麻疹(じんましん) は、皮膚に突然赤みや盛り上がった発疹が現れ、強いかゆみやチクチクするような刺激を伴う皮膚疾患です。蕁麻疹は数時間以内に消えることが多いものの、症状が繰り返し現れたり、数日以上続く場合もあります。多くの場合、蕁麻疹は一時的なもので、時間が経つと自然に治まりますが、慢性化することもあるため注意が必要です。
蕁麻疹は子どもから大人まで幅広い年齢層に見られ、特に免疫反応が未熟な子どもや、アレルギー体質の人に発症しやすい傾向があります。また、特定の原因がはっきりしないケースも少なくありません。
蕁麻疹の症状は個人差がありますが、代表的な特徴は次の通りです。
蕁麻疹の原因は多岐にわたり、発症のきっかけとなる要因がはっきりと特定できないこともあります。主な原因は以下の通りです。
アレルギー性蕁麻疹は、免疫系が特定の物質(アレルゲン)に過剰反応することで発症します。
アレルギーではない原因でも、蕁麻疹は引き起こされることがあります。
ストレスや過労による自律神経の乱れも、蕁麻疹の原因になります。精神的な負担が大きいと、免疫機能が過剰反応を引き起こすことがあります。
蕁麻疹は大きく「急性蕁麻疹」と「慢性蕁麻疹」の2つに分類されます。それぞれの特徴と違いについて解説します。
急性蕁麻疹は、突然発症して比較的短期間で症状が治まるタイプです。
慢性蕁麻疹は、症状が1か月以上続くタイプです。原因が特定できないことが多く、繰り返し発症します。
慢性蕁麻疹は長期間にわたり症状が続くため、生活の質(QOL)を大きく低下させることがあります。医師と相談しながら、根気強く治療を続けることが重要です。
蕁麻疹は、皮膚に突然現れる発疹やかゆみを伴うため、見た目で診断がつくことが多い疾患です。しかし、症状の原因や背景を正確に判断し、適切な治療を行うためには医療機関での診察が重要です。
まず、医師は問診を通して症状や発症の経緯について確認します。
「いつから症状が現れたのか」「特定の食べ物や薬を摂取したか」「ストレスや体調の変化があったか」など、日常生活の中で考えられる原因について丁寧に聞き取ります。
次に、皮膚の状態を確認し、発疹の特徴や広がり具合、皮膚の腫れ方などを観察します。急性蕁麻疹か慢性蕁麻疹か、またはアレルギー性の反応が疑われるかを見極めるポイントとなります。
さらに、必要に応じて血液検査やアレルギー検査を行い、IgE抗体(アレルギー反応を示す数値)や炎症反応をチェックすることもあります。ただし、慢性蕁麻疹の多くは原因が特定されないため、検査結果で明確な異常が見つからないことも少なくありません。
医療機関では、蕁麻疹の状態に合わせて適切な治療が行われます。軽症の場合は生活指導や対症療法が中心となりますが、重症の場合や症状が長引く場合は、薬物治療が必要です。
特に、呼吸困難を伴う場合(アナフィラキシーの疑い)には、緊急の処置が求められるため、速やかに受診することが大切です。
蕁麻疹の治療は、症状を和らげることを目的とした対症療法が基本です。多くの場合、アレルギー反応やヒスタミンの過剰分泌が原因となるため、薬物治療が効果的です。
医師が処方する代表的な薬には、以下のものがあります。
蕁麻疹のかゆみや発疹の原因となる「ヒスタミン」の作用を抑える薬です。症状の緩和に最も広く使用されており、第一選択薬として処方されます。服用後、数時間でかゆみが軽減することが多いです。症状に応じて外用薬も使用されます。
症状が重い場合や全身に広がっている場合には、ステロイド薬が使用されることがあります。内服薬や外用薬として処方され、炎症やかゆみを抑える効果が高い反面、長期間の使用は副作用のリスクがあるため注意が必要です。
慢性蕁麻疹で他の治療法が効果を示さない場合に用いられます。免疫系の過剰な反応を抑え、症状を緩和します。
治療と並行して、日常生活の中でも症状を悪化させないための対策が大切です。
蕁麻疹は適切な治療と生活習慣の見直しで改善することが多いため、医師と相談しながら根気よく対処することが大切です。
蕁麻疹が現れた場合、家庭での適切なケアが症状の悪化を防ぎ、回復を助けます。
かゆみや腫れが強い場合、冷やしたタオルや保冷剤を使って患部を冷やすと症状が軽減されます。冷やすことで血管の拡張が抑えられ、かゆみを感じにくくなります。
蕁麻疹が出ているときは、皮膚を刺激する行動は避けることが大切です。
入浴は体を清潔に保つために重要ですが、熱いお湯は血行を促進し、かゆみが悪化することがあります。ぬるめのお湯に短時間入るようにし、石けんは刺激の少ないものを使いましょう。入浴後は保湿剤を使って肌を守ることも効果的です。
食事では、蕁麻疹を引き起こす可能性がある食品(青魚、刺激の強い香辛料など)を避け、バランスの良い食生活を心がけます。十分な睡眠と適度な運動で免疫力を高めることも大切です。また、ストレスをためないようリラックスする時間を作ると、症状の改善につながります。
蕁麻疹は多くの場合、短時間で自然に症状が治まりますが、まれに重症化し、全身症状や合併症を引き起こすことがあります。特に注意が必要なケースや見逃してはいけない症状について解説します。
蕁麻疹が悪化すると、皮膚だけでなく体の他の部位にも影響が出ることがあります。
慢性的な蕁麻疹や治療が不十分な場合、以下のような合併症が生じることがあります。
以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
蕁麻疹が現れたときは、安易に自己判断せず、症状の経過をよく観察することが重要です
蕁麻疹の予防には、日常生活の見直しと体質改善が大切です。発症を防ぐために心がけたい生活習慣や食事のポイントを解説します。
蕁麻疹の発症を抑えるためには、食事にも気を配ることが重要です。
物理的な刺激やアレルゲンに触れないよう、生活環境を清潔に保つことが大切です。
毎日の生活に気をつけることで蕁麻疹の発症リスクを減らし、症状をコントロールすることが可能になります。
子どもは免疫機能が未発達であるため、大人よりも蕁麻疹が出やすい傾向があります。特に、感染症や食べ物が原因となるケースが多く見られます。
蕁麻疹の発症や悪化には、ストレスが大きく関わることがあります。特に慢性蕁麻疹では、アレルギーや感染症といった明確な原因が見つからないことが多く、ストレスがトリガーとなるケースが少なくありません。
ストレスが体にかかると、自律神経のバランスが乱れ、免疫機能が過剰に反応することがあります。これにより、ヒスタミンが多量に分泌され、蕁麻疹を引き起こす原因となります。また、ストレスによってホルモンバランスが崩れることで、かゆみが悪化することもあります。
ストレスによる蕁麻疹を改善するためには、日常生活で心身のリラックスを心がけることが重要です。
医療機関では、ストレス性蕁麻疹に対して抗ヒスタミン薬を処方し、症状のコントロールを行うと同時に、心身のケアについてもアドバイスを行います。症状が長引く場合は、心療内科や精神科と連携しながら、ストレスの原因を取り除くアプローチが必要になることもあります。
蕁麻疹に似た症状を示す病気も多く、正しい診断が重要です。見た目だけで判断せず、症状や経過をしっかり観察することが必要です。
蕁麻疹と似た症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関で正確な診断を受けることが重要です。
岩間こどもクリニックでは、蕁麻疹に対する診療を行い、症状の緩和と再発防止のサポートを行なっております。お子さまの急な発疹やかゆみが見られた際は、ぜひご相談ください。
蕁麻疹は見た目の症状が強いため、保護者の方が心配になることも多いですが、岩間こどもクリニックではお子さま一人ひとりの症状に合わせた診療を行い、安心して治療を受けられる環境を提供しています。
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