赤い発疹

red rash

皮膚に赤い発疹が出る原因は?子どもに多い疾患と家庭での対処法を小児科医が解説

皮膚に赤い発疹が出る理由

子どもの皮膚は薄く敏感で、感染症やアレルギー反応、刺激物に対して発疹が出やすくなっています。発疹の原因はさまざまで、症状や病気の特徴を正しく見極め、適切に対処することが重要です。

子どもの皮膚に発疹が出た際の注意点

子どもに赤い発疹が出た場合は、以下の点に注意しましょう。


  • 発疹の範囲や症状(かゆみ、発熱、痛みなど)を詳しく観察し写真に記録する。
  • 発疹を掻き壊さないよう爪を短く切り、清潔を保つ。
  • 発熱や元気がない場合、症状が広がる場合は速やかに受診しましょう。

家庭での適切な対処法

家庭での基本的なケア方法は以下の通りです。


  • 清潔を保ちながら、刺激の少ない服を着用させる。
  • かゆみがある場合は、冷たいタオルで冷やしてかゆみを和らげる。
  • 発熱や水分不足に注意し、十分な水分補給を行う。
  • 症状が改善しない、あるいは悪化する場合は早期に医療機関を受診する。

赤い発疹を伴う代表的な疾患と特徴

  • 突発性発疹の特徴と原因
    突発性発疹は主に乳幼児期にヒトヘルペスウイルスの感染によって起こります。高熱が数日続いた後に熱が下がり、顔や体に小さな赤い発疹が現れます。発疹にかゆみはなく、数日で自然に消えますが、高熱によるけいれんなどに注意が必要です。安静に過ごし、水分補給を十分行いましょう。
  • 蕁麻疹の特徴と原因
    蕁麻疹はアレルギーやストレス、温度変化など様々な原因で起こる疾患です。突然皮膚に盛り上がった発疹が現れ、強いかゆみを伴うことがあります。発疹は通常数時間から1日以内に消えますが、繰り返し現れることがあります。原因物質の回避と適切な薬物治療が重要です。
  • 手足口病の特徴と原因
    手足口病はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる感染症です。口の中や手足に赤く小さな水疱状の発疹が現れ、発熱や食欲低下を伴うことがあります。感染力が強く集団生活で流行しやすいため、感染対策(手洗い・消毒)を徹底しましょう。症状は1週間ほどで自然に改善しますが、水分補給や栄養管理が重要です。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には早期に医療機関を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・発疹が急速に広がり、数日経っても消えない場合
    ・発熱や強いかゆみ、痛みがある場合
    ・発疹が水疱状や化膿するなど症状が悪化する場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・高熱によるけいれん、意識障害がある場合
    ・呼吸困難や顔色不良(アナフィラキシー症状)がある場合
    ・全身状態が悪くぐったりして緊急性が高い場合

発疹後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も引き続き清潔を心がけ、肌に刺激の少ない衣服を選びましょう。免疫力低下を防ぐために栄養バランスの良い食事と十分な休養を取りましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

再発予防には以下を心がけましょう。


  • 日常的に手洗いやうがいを徹底する。
  • アレルゲンとなる可能性がある食品や刺激物を避ける。
  • 皮膚の保湿をこまめに行い、肌のバリア機能を高める。
  • 体調変化に気を配り、症状が現れたら早めに対処する。

よくある質問

突発性発疹の高熱は何日続きますか?
一般的には2~4日程度続き、その後急激に下がります。
蕁麻疹の発疹は感染しますか?
蕁麻疹自体は感染しませんが、原因によっては感染症の症状として現れることもあります。
手足口病は大人にもうつりますか?
大人にも感染することがあります。特に免疫力が低下している場合は注意が必要です。
発疹にステロイド軟膏を使用してもよいですか?
発疹の原因によって適切な薬が異なるため、自己判断での使用は避け医師に相談しましょう。
発疹時のお風呂は控えるべきですか?
発熱がなく症状が重くなければ短時間のお風呂は可能です。入浴後は保湿を十分行うようにしましょう。
蕁麻疹が繰り返し起こるのはなぜですか?
原因物質への暴露やストレス、体調不良などが影響します。医師と相談し原因を特定しましょう。
手足口病で発疹が出るまでどのくらいかかりますか?
ウイルス感染から3~6日後に発疹が出ることが多いです。

まとめ

子どもの皮膚に赤い発疹が現れると、保護者の方は心配になることも多いと思います。発疹の原因はさまざまで、突発性発疹や蕁麻疹、手足口病など、子どもに多く見られる病気が背景にある場合もあります。突発性発疹は高熱が特徴であり、発熱が落ち着いた頃に発疹が出るため、熱がある段階から注意深い観察が必要です。蕁麻疹は原因物質やストレスの特定が重要で、再発を防ぐためにも原因除去が欠かせません。手足口病は感染力が強く、適切な感染予防を行わないと、家庭や保育園・幼稚園などでの集団感染を引き起こす可能性があります。

子どもは自分の症状をうまく伝えられないため、保護者が日頃から丁寧に観察を行い、発疹の性質や範囲、かゆみや痛み、発熱など他の症状をしっかりチェックすることが大切です。発疹が出た場合には早期に医療機関を受診し、正しい診断を受けて、適切な治療やケアを早めに開始することが、症状の早期改善や重症化の予防につながります。

岩間こどもクリニックでは、発疹の原因を丁寧に診察し、それぞれの症状や疾患に合わせた最適な治療とケアの方法をお伝えしています。また、再発予防のための日常的なケアや生活上のアドバイスもわかりやすく指導しています。

お子さまの健康な皮膚を守り、快適な日常生活を支えるために、小さな皮膚トラブルでも早めに医療機関に相談する習慣をつけましょう。発疹や皮膚の症状で気になることがあれば、ぜひお気軽に岩間こどもクリニックへご相談ください。私たちがご家庭とともに、お子さまの健やかな成長を全力でサポートいたします。

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