副鼻腔炎

sinusitis

副鼻腔炎(蓄膿症)とは?子どもに多い症状・原因・治療法・家庭でのケアを小児科医が解説

副鼻腔炎とは

副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)が炎症を起こし、膿がたまった状態のことをいいます。一般的には「蓄膿症(ちくのうしょう)」として知られています。特に小児では、鼻風邪やインフルエンザなどをきっかけに発症することが多く、適切な治療が遅れると症状が慢性化しやすくなります。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い

副鼻腔炎は、症状の期間によって急性と慢性に分類されます。


  • 急性副鼻腔炎:症状が1カ月未満で治まるもの
  • 慢性副鼻腔炎:症状が3カ月以上続くもの

急性副鼻腔炎が繰り返されたり、適切な治療が行われないまま放置されると、慢性副鼻腔炎に進行する可能性があります。

副鼻腔炎の主な原因

副鼻腔炎の主な原因は、鼻風邪やインフルエンザなどの感染症による鼻炎です。鼻炎によって副鼻腔と鼻腔をつなぐ通路が腫れ、鼻水や粘液が副鼻腔内にたまることで炎症を引き起こします。
特に子どもは免疫機能が未熟であり、鼻の構造もまだ発達途中のため、副鼻腔炎を起こしやすい傾向があります。また、アレルギー性鼻炎や喘息がある子どもは、副鼻腔炎を発症するリスクが高まることが知られています。

子どもに見られる主な症状とサイン

副鼻腔炎を発症すると、以下のような症状がよく見られます。


  • 持続する鼻づまり
  • 黄色や緑色の粘り気のある鼻水。
  • 長引く咳(特に夜間にひどくなることが多い)
  • 顔の痛みや圧迫感(特に鼻や頬の周囲)
  • 発熱(特に急性期に多い)
  • 疲れやすさ、集中力の低下
  • 頭痛、目の奥の痛み

これらの症状が1週間以上続く場合や、繰り返し症状が現れる場合は、副鼻腔炎を疑い、早めに小児科を受診することが大切です。

副鼻腔炎が子どもに与える影響

副鼻腔炎を放置すると、慢性化するだけでなく、以下のような影響が現れることがあります。


  • 睡眠障害や集中力低下による学習障害
  • 中耳炎などの合併
  • 慢性的な咳や鼻づまりによる日常生活への支障

このような状態を避けるためにも、症状に気づいたら早めに適切な対応をとりましょう。

副鼻腔炎の診断方法

副鼻腔炎の診断は主に医師による診察をもとに行われます。診察では、鼻の状態を観察するほか、症状の経過を詳しく確認します。また必要に応じて、鼻腔内を詳しく観察できる鼻鏡検査や、副鼻腔の状態を確認するためのレントゲン検査やCT検査が行われることもあります。

治療法

副鼻腔炎の治療は、主に以下の方法が用いられます。


  • 抗生物質の服用(細菌感染が疑われる場合)
  • 去痰剤や抗炎症薬などの服用
  • 鼻づまりを改善する点鼻薬の使用
  • ネブライザー治療(薬液を霧状にして鼻腔内に届ける方法)

症状が重症化したり、慢性化した場合は、耳鼻科と連携し、さらに専門的な治療を行う場合もあります。

家庭でのケアと予防法

副鼻腔炎を早く治すためには、家庭でのケアも重要です。以下のポイントを実践しましょう。


  • こまめな鼻かみ(鼻水が詰まったまま放置しない)
  • 室内の湿度を適切に保つ(乾燥すると症状が悪化するため)
  • 水分をこまめに取る(鼻水の排出を助ける)
  • 体を温めて免疫力を維持する

副鼻腔炎を予防するためには、鼻風邪をひかないように日常的な手洗いやうがいを徹底することが基本です。また、アレルギーがあるお子さまはそのコントロールも予防につながります。

副鼻腔炎になったときの注意点

子どもが副鼻腔炎になった場合、症状が落ち着いても油断は禁物です。症状が再び現れないように、医師が処方した薬を最後までしっかり服用することが重要です。また、症状が繰り返す場合や長引く場合は、慢性化の可能性があるため、医師に再度相談しましょう。

よくある質問

副鼻腔炎はうつりますか?
副鼻腔炎そのものはうつりませんが、副鼻腔炎の原因となる風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症は他人にうつります。そのため、感染症対策として手洗いやうがいをしっかり行うことが重要です。
鼻水が黄色や緑色だと副鼻腔炎ですか?
鼻水が黄色や緑色だからといって必ずしも副鼻腔炎とは限りませんが、感染や炎症が起きている可能性が高いです。このような鼻水が数日間続く場合や症状が悪化する場合は、副鼻腔炎の可能性を疑い、医療機関で診察を受けましょう。
副鼻腔炎を放置するとどうなりますか?
副鼻腔炎を放置すると症状が慢性化し、鼻づまりや頭痛、咳が長引き、睡眠不足や集中力の低下につながることがあります。また、中耳炎や気管支炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、早期に適切な治療を行うことが大切です。
市販薬で治せますか?
軽い鼻づまりや鼻水の症状であれば市販薬で一時的に緩和することは可能です。ただし、副鼻腔炎が疑われる場合は細菌感染の可能性があり、抗生物質による治療が必要になることもあります。
学校や保育園は休ませるべきですか?
軽度で症状が落ち着いている場合は登校・登園が可能な場合がほとんどです。ただし、強い頭痛や発熱、咳が続いているなど症状が強い場合は無理をせず、自宅で安静に過ごすことをおすすめします。また症状が長引いている場合は医師と相談しましょう。
副鼻腔炎は再発しやすいですか?
副鼻腔炎は鼻風邪やアレルギー性鼻炎が引き金となり繰り返しやすい傾向があります。特に治療を中途半端で終えると再発しやすくなります。再発を防ぐためにも、医師の指示通り薬を最後まで飲みきり、日常の鼻のケアを心がけることが大切です。
副鼻腔炎になると必ず抗生物質が必要ですか?
副鼻腔炎の多くは細菌感染を伴うため、抗生物質が処方されることがあります。ただし、すべてのケースで抗生物質が必要なわけではありません。ウイルス感染やアレルギーが原因の場合、抗生物質は無効なため、症状に応じた治療法を医師が選択します。
副鼻腔炎は自然に治ることがありますか?
軽度の急性副鼻腔炎であれば、体の免疫力によって自然に治る場合もあります。しかし、症状が長引く場合や悪化する場合には治療が必要です。特に子どもの場合は慢性化しやすいため、症状が続くようであれば、医療機関を早めに受診することをおすすめします。

岩間こどもクリニックでの副鼻腔炎治療とサポート体制

岩間こどもクリニックでは、副鼻腔炎の診断から治療まで、一貫して丁寧なサポートを提供しています。軽症の場合から慢性化の予防まで、症状に合わせた最適な治療法を提案します。

保護者が家庭でできるケア方法や注意点についても、具体的にアドバイスを行っています。副鼻腔炎に関して心配な症状やご相談があれば、お気軽に岩間こどもクリニックにご相談ください。

子どもたちが元気に笑顔で毎日を過ごせるように、全力でサポートいたします。

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