皮膚の病気

skin diseases

皮膚の病気とは?子どもに多い原因と疾患・適切なケア方法を小児科医が詳しく解説説

皮膚の病気とは?

皮膚の病気は子どもにとても多く、その原因として皮膚が薄くバリア機能が未熟なため細菌やウイルス、刺激物に対して敏感に反応しやすいことが挙げられます。特に幼児期は皮膚トラブルが多く、慢性化しやすい疾患もあり、適切なケアと早期対応が重要です。

子どもに皮膚トラブルが起きた際の注意点

子どもの皮膚に異常が現れた際は、以下の点に注意してください。


  • 症状を悪化させないため、皮膚を強くこすらない、掻きむしらないように気をつける。
  • 市販薬を自己判断で使用せず、医師の指示に従う。
  • 症状の変化や経過をしっかり観察し、記録して医師に伝える。

子どもに皮膚症状が出た際の家庭での対処法

家庭での基本的な対処法は以下の通りです。


  • 皮膚を清潔に保ち、低刺激の石鹸や保湿剤を使用する。
  • 衣服は柔らかく、通気性の良い素材を選び、肌への刺激を軽減する。
  • 痒みが強い場合は、冷たいタオルを当てて症状を和らげる。
  • 症状がひどくなったり、治りが遅い場合は医療機関を早めに受診する。

代表的な皮膚疾患と特徴

  • アトピー性皮膚炎の特徴と原因
    アトピー性皮膚炎は慢性的な皮膚の炎症性疾患で、遺伝的要因やアレルギー体質、皮膚のバリア機能の低下などが原因です。主な症状は乾燥、赤み、強いかゆみ、掻きむしることで悪化します。症状の管理には毎日のスキンケアと適切な薬物療法が必要であり、継続的な治療と生活習慣の改善が重要です。
  • とびひ(伝染性膿痂疹)の特徴と原因
    とびひは細菌(黄色ブドウ球菌など)感染によって起こり、皮膚にできた小さな傷が化膿し、他の部分や他人に感染を広げる病気です。水ぶくれやかさぶたが特徴で、掻くことで感染が広がります。感染力が非常に強いため、早期の治療が必要です。症状が出た場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
  • 水イボ(伝染性軟属腫)の特徴と原因
    水イボはポックスウイルスが原因の皮膚疾患で、肌色や白色の小さなイボが皮膚に多数現れます。痒みは通常ありませんが、引っかくと広がる傾向があります。自然に治ることもありますが、広がりやすいため早めの受診をおすすめします。専用のピンセットで取り除く治療や塗り薬での治療があります。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には速やかに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・症状が広がる、または悪化する場合
    ・強い痒みや痛みを伴い、日常生活に支障がある場合
    ・皮膚がただれたり、膿が出たりする場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・発疹に加え、高熱や意識がぼんやりする場合
    ・顔面や全身が急激に腫れる、呼吸困難などの重篤な症状がある場合
    ・重症のアレルギー反応(アナフィラキシー)が疑われる場合

皮膚症状改善後の家庭でのケアと過ごし方

症状が改善した後も皮膚は敏感です。毎日の丁寧なスキンケアを継続し、保湿をしっかりと行うことが再発予防につながります。掻き壊し防止のため爪は短く切り、清潔を心がけましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

皮膚疾患の再発予防には以下を日常的に行いましょう。


  • こまめに保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぐ。
  • 室内の清掃を徹底し、ダニやハウスダストを除去する。
  • 皮膚への刺激となる衣類や洗剤、化粧品を避ける。
  • 傷や湿疹ができた際には早期に適切なケアを行う。

よくある質問

アトピー性皮膚炎は成長すると治りますか?
成長とともに改善するケースが多いですが、個人差があり継続的な管理が必要です。
とびひはどのように予防できますか?
清潔な皮膚管理と早期の傷の処置が重要です。手洗いや爪切りも徹底しましょう。
水イボは自然に治りますか?
数ヶ月~数年で自然に治る場合もありますが、広がりやすいため治療をおすすめします。
皮膚の痒みは冷やすと効果がありますか?
冷たいタオルなどで冷やすことで一時的に痒みを和らげることができます。
皮膚疾患の薬を使い続けても問題ありませんか?
医師の指示通りに使用すれば、安全に継続的な治療が可能です。
アトピー性皮膚炎の子どもに適した入浴法は?
ぬるめのお湯で短時間、刺激の少ない石鹸を使用し、入浴後はすぐ保湿を行いましょう。
水イボがある場合、プールには入れますか?
医療機関や施設の指示に従いますが、一般的に入水可能です。
皮膚の病気を防ぐための食事はありますか?
特定の食品で完全に予防は難しいですが、栄養バランスの良い食事で免疫力や皮膚の状態を整えることができます。

まとめ

子どもの皮膚疾患は身近なトラブルであり、軽度なものから慢性的で管理が必要なものまで症状はさまざまです。アトピー性皮膚炎は適切なケアを怠ると慢性化しやすく、長期にわたって子どもの生活や成長に影響を与えることがあります。とびひや水イボなどは感染力が非常に強く、他のお子さまへの感染や広範囲への広がりを防ぐためにも、早期発見と迅速な治療が重要です。

皮膚疾患は、症状が出た際の適切な初期対応が、その後の経過を大きく左右します。家庭での正しいスキンケアや衛生管理、医師の指導に従った薬物療法を行うことが、症状の改善と再発予防に不可欠です。また、子どもの皮膚は非常に敏感なため、保湿や清潔保持といった日常的なケアが重要であり、生活習慣の見直しや環境整備も継続的に必要になります。

岩間こどもクリニックでは、皮膚疾患の原因や症状を詳しく診察し、それぞれのお子さまの状態に合わせたきめ細かな治療計画と家庭でのケアの指導を行っています。疾患が慢性化しないよう早期に介入し、子どもの負担を最小限にするため、ご家庭としっかり連携してサポートいたします。

子どもたちが皮膚トラブルから解放され、健康で快適な毎日を送るためには、小さな変化にも気づき、すぐに適切な対応を取ることが大切です。皮膚の症状で少しでも気になることがあれば、早めにご相談ください。私たち岩間こどもクリニックは、子どもとご家族が安心して生活できるよう、全力でサポートいたします。

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