お腹を痛がる

stomachache

お腹を痛がる原因は?子どものお腹の症状とケアを小児科医が詳しく解説

子どもがお腹を痛がる理由

子どもの腹痛は日常的に見られる症状ですが、その原因はさまざまで、軽い便秘や胃腸炎から、緊急性の高い腸重積まで幅広くあります。子どもは症状を上手く伝えられないため、保護者が注意深く観察し、早期に適切な対応をとることが重要です。

子どもの陰部が腫れたり痛む際の注意点

お子さまがお腹を痛がった際には、次の点に注意して観察しましょう。


  • 痛みが起きたタイミングや頻度、持続時間を記録する。
  • 発熱、嘔吐、便の状態(色、性状、血便の有無)などを確認する。
  • 腹痛とともに元気がない、ぐったりしている、嘔吐する、泣き方がいつもと違う場合は要注意です。

家庭での適切な対処法

家庭でできる腹痛への基本的な対処法は以下の通りです。


  • 楽な姿勢で横に寝かせて安静にする。
  • 衣服を緩めてリラックスさせる。
  • 温かいタオルやカイロなどで腹部を温めてあげると痛みが和らぐことがあります。
  • 痛みが改善せず、症状が強まる場合は早急に医療機関を受診しましょう。

お腹を痛がる症状を伴う代表的な疾患と特徴

  • 尿道炎の特徴と原因
    急性胃腸炎はウイルスや細菌感染によって起こる病気で、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などを伴います。ロタウイルスやノロウイルスなどが代表的で、特に脱水症状を起こしやすい乳幼児期では注意が必要です。水分補給が最も重要であり、症状がひどい場合には医療機関で点滴治療を受けることもあります。
  • 便秘の特徴と原因
    子どもの便秘は日常生活でよく見られますが、長期間続くと強い腹痛や食欲不振を引き起こすことがあります。特に排便時に強い痛みを感じるため、子どもが排便を我慢し、症状が悪化することがあります。食物繊維を多く含む食事や水分摂取を促し、必要に応じて医師の指導に基づいた下剤などの治療を行います。
  • 腸重積の特徴と原因
    腸重積は腸管の一部が隣り合う腸に入り込んで塞がってしまう病気で、生後6か月~2歳頃の子どもに多く見られます。突然激しい腹痛が起こり、泣いたり不機嫌になったりを繰り返します。血便(いちごゼリー状便)や嘔吐も特徴的で、放置すると腸管が壊死する恐れがあるため、早急な診断と治療が必要です。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の症状がある場合は早期に医療機関を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・腹痛が頻繁に繰り返し起こる場合
    ・発熱や嘔吐、下痢が長期間続く場合
    ・元気がなく、食欲が著しく低下している場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・腹痛が非常に強く、痛みで動けない場合
    ・血便や激しい嘔吐があり、顔色が青白くぐったりしている場合
    ・症状が急激に悪化し、緊急性が高いと判断される場合

症状が改善した後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も、消化の良い食事を与え、無理せず十分な休息をとりましょう。胃腸炎の場合はこまめな水分補給を継続し、便秘の場合は水分と食物繊維の摂取を意識した食事を心がけてください。

再発を防ぐための日常生活の注意点

腹痛の再発予防のために次の点を心がけましょう。


  • 規則正しい生活習慣を維持し、睡眠を十分にとる。
  • 栄養バランスの良い食事を摂り、水分補給をこまめに行う。
  • 日頃から衛生管理を徹底し、感染症を予防する。
  • 腹痛の症状が繰り返される場合は早期に医療機関に相談する。

よくある質問

急性胃腸炎の時、食事はどのようにしたらよいですか?
水分を少量ずつ頻回に与え、症状が落ち着いてから消化のよい食事を徐々に再開しましょう。
便秘がひどいときに家庭でできる対策は?
食物繊維を多く含む食品を与え、水分を多めに摂らせることが効果的です。
腸重積は何歳くらいの子どもに多いですか?
生後6か月から2歳くらいの乳幼児に多くみられます。
腹痛時、入浴しても問題ありませんか?
痛みが軽度であれば短時間の入浴は可能ですが、強い痛みがある場合は控えましょう。
胃腸炎で嘔吐がひどいときの対応は?
嘔吐後しばらくは絶飲食とし、吐き気が落ち着いてから少量ずつ水分を与えましょう。
子どもの便秘に下剤を使ってもよいですか?
自己判断での使用は避け、必ず医師の指示のもと適切な薬を使いましょう。
腸重積の初期症状はどのようなものですか?
急に泣き出したり、ぐったりしたりを繰り返す間欠的な腹痛が特徴です。
子どもの腹痛が繰り返す場合はどうすればよいですか?
早めに医療機関を受診し、原因を調べてもらうことが重要です。

まとめ

子どもの腹痛は頻繁に見られる症状のひとつですが、その背後には急性胃腸炎、便秘、腸重積といった、注意を要する疾患が潜んでいることもあります。急性胃腸炎では嘔吐や下痢に伴う脱水症状が深刻化する恐れがあり、早期の水分補給や適切な治療が重要です。便秘は日常的な症状ではあるものの、長期間続くと強い腹痛や食欲低下を招き、子どもの健康や成長に影響を与えかねません。腸重積は特に注意が必要で、診断や治療が遅れると腸管の壊死や重篤な合併症に至る可能性があるため、迅速な受診と治療が求められます。

子どもは症状を正確に伝えることが難しいため、保護者が日頃から子どもの様子を注意深く観察し、異変を感じたら迷わず医療機関を受診することが非常に大切です。また、家庭でできるケアとしては、食生活の改善や適切な水分補給、衛生管理の徹底などを日常的に心がけ、再発防止に努めることも重要となります。

岩間こどもクリニックでは、お子さまのお腹の痛みに対して丁寧な診察と適切な治療を行うとともに、家庭での具体的なケアや再発予防のための生活習慣のアドバイスも提供しています。お子さまとご家族が安心して毎日を過ごせるよう、些細なことでもお気軽にご相談ください。私たちはご家族と連携し、お子さまの健やかな成長を全力でサポートいたします。

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