鼻づまりが治らない

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皮膚の病気とは?子どもに多い原因と疾患・適切なケア方法を小児科医が詳しく解説

鼻づまりが治らない理由

鼻づまりは、鼻腔内の粘膜が腫れることで空気の通り道が狭くなる状態です。子どもは鼻腔が狭く、粘膜も敏感なため、風邪やアレルギーによって鼻づまりが長引きやすい傾向があります。鼻づまりが長期化すると、睡眠障害や食欲低下を引き起こし、成長にも影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。

子どもの鼻づまりに気づいた際の注意点

鼻づまりに気づいたら、以下のポイントに注意しましょう。


  • 鼻を強くかませたり、強く吸い出したりしないよう注意する。
  • 他の症状(発熱や咳、耳の痛み)がないかよく観察する。
  • 症状が改善しない場合や悪化する場合は早めに医療機関を受診する。

子どもの鼻づまりへの家庭での対処法

家庭でできる基本的な対処法は以下の通りです。


  • 室内を加湿し、鼻腔内を乾燥させないようにする。
  • 蒸しタオルや温かいシャワーの蒸気で鼻を温めると症状が緩和されることがあります。
  • 頭を少し高くして寝かせると、鼻の通りがよくなることがあります。
  • 症状が改善しない場合は無理をせず医療機関を受診しましょう。

鼻づまりを起こす代表的な疾患とその特徴

  • 感冒(風邪)の特徴と原因
    感冒は主にウイルス感染が原因で、鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛みなどを引き起こします。子どもは免疫機能が未熟で風邪をひきやすく、鼻づまりが長引く場合も少なくありません。適切な休息と栄養、水分補給、症状に応じた対処が重要です。一般的には数日~1週間程度で改善しますが、症状が長引く場合は受診を検討してください。
  • アレルギー性鼻炎の特徴と原因
    アレルギー性鼻炎は、特定のアレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉など)に対して鼻粘膜が過敏に反応して起こります。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどが主な症状です。アレルゲンの回避、室内の清掃、薬物治療による症状のコントロールが重要です。症状が慢性化しやすいため、早期の診断と治療が求められます。
  • アデノイド肥大の特徴と原因
    アデノイドは鼻の奥にあるリンパ組織で、これが過剰に肥大すると鼻づまりや口呼吸、いびき、睡眠障害などを引き起こします。特に幼児期に多く見られ、慢性的な鼻づまりの原因となります。症状が強い場合は専門医での診察を受け、場合によっては手術による治療を検討します。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の場合には速やかに病院を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・鼻づまりが数週間以上続く場合
    ・鼻づまりに加え、耳の痛みや聞こえにくさがある場合
    ・睡眠障害やいびきが頻繁にある場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・呼吸困難やチアノーゼ(唇や顔が青白くなる)がある場合
    ・意識がもうろうとしている、ぐったりした状態がある場合
    ・急に症状が悪化し、緊急性が高いと感じる場合

鼻づまり症状改善後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後も、継続的に室内環境を整えることが大切です。適度な湿度(50~60%)を保ち、清潔な空気を維持し、鼻づまりの再発予防に努めましょう。症状が再び現れた際は速やかに対応しましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

鼻づまりの再発予防には以下を日常的に意識しましょう。


  • 手洗いやうがいを徹底し、感染症を予防する。
  • 室内を清潔に保ち、ハウスダストやダニの発生を防ぐ。
  • 睡眠時は頭をやや高くし、鼻呼吸しやすい姿勢を取る。
  • 症状が繰り返す場合、早めに専門医を受診する。

よくある質問

鼻づまりが続くと子どもの成長に影響しますか?
長期化すると睡眠不足や集中力低下につながり、成長や発達に影響を与える可能性があります。
鼻づまりに市販薬を使ってもよいですか?
一時的な使用は可能ですが、慢性化する場合は医師に相談するのが安全です。
アレルギー性鼻炎は治りますか?
治療で症状をコントロールできますが、完全に治るケースは稀です。継続的な管理が必要です。舌下免疫療法も選択肢のひとつです。
アデノイド肥大は必ず手術が必要ですか?
軽度であれば経過観察ですが、症状が重い場合は手術を検討することもあります。
鼻づまりが長引くと中耳炎になりやすいのですか?
はい、鼻づまりが長引くと中耳炎になるリスクが高まります。
加湿器は鼻づまりに有効ですか?
はい、適切な湿度管理は鼻づまりの緩和に役立ちます。
鼻づまりがひどい時に効果的な寝かせ方は?
頭をやや高くすると鼻の通りがよくなり、呼吸が楽になります。
風邪が原因の鼻づまりはどれくらい続きますか?
通常数日から1~2週間程度で改善しますが、それ以上続く場合は受診が必要です。

まとめ

子どもの鼻づまりは、日常的によくある症状であり、一見軽い症状として見過ごされがちですが、長引くと子どもの睡眠や食欲、日常生活に深刻な影響を与えることがあります。特に、感冒(風邪)、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大などの病気が原因となっている場合は、放置すると中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を引き起こす可能性が高くなります。また、睡眠の質が低下すると集中力や学習能力にも悪影響を及ぼし、子どもの健やかな成長と発達に支障をきたす恐れがあります。

こうした症状を避けるためには、早めに原因を正確に特定し、適切な対処と治療を行うことが重要です。感冒(風邪)やアレルギー性鼻炎であれば日常生活の環境改善や薬物療法によるコントロールが可能であり、アデノイド肥大の場合でも早期の診断によって症状の重症化を防ぐことができます。

岩間こどもクリニックでは、お子さまの鼻づまりの症状に対して詳細な診察を行い、原因をしっかりと見極め、それぞれの症状やライフスタイルに適した治療計画を丁寧に立てています。また、家庭でできるケア方法や日常生活の注意点についてもわかりやすくご説明し、ご家庭が安心して対処できるよう支援しています。

お子さまが快適で健康的な毎日を送れるように、鼻づまりのような小さな症状でも早期に対応することが大切です。症状が続く場合や気になることがあれば、ためらわずに早めにご相談ください。岩間こどもクリニックは、お子さまとご家族が安心して過ごせるよう、全力でサポートいたします。

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