突発性発疹の基礎知識｜原因・症状・対処法を徹底解説 - 岩間こどもクリニック(小児科・アレルギー科)

突発性発疹とは

原因ウイルスとは

主な症状と発症のサイン

突発性発疹の最も特徴的な症状は、突然の高熱とその後に現れる発疹です。発症のサインとしては以下のような症状が挙げられます。

• 高熱
  39度前後の高熱が3〜4日続きます。この間、子どもは比較的元気なことが多いですが、個人差があります。
• 解熱後の発疹
  高熱が下がると同時に、体に赤い発疹が現れます。この発疹は痒みを伴わず、顔や体幹を中心に広がるのが一般的です。

これらの症状が見られた場合、突発性発疹の可能性が高いと考えられます。

発疹が出る前に見られる特徴的な症状

発疹が出る前の段階では、子どもに高熱が見られるだけで、他に目立った症状がないことが一般的です。
ただし、一部の子どもでは以下のような症状が見られることもあります。

• ぐずりやすい
• 食欲が落ちる
• 軽い咳や鼻水

これらの症状は他の風邪と似ているため、突発性発疹と特定するのは難しい場合があります。
解熱後に発疹が現れることで、初めて突発性発疹と診断されることが多いです。

突発性発疹が治るまでの期間

突発性発疹は、通常1週間程度で自然に治癒します。発熱が２〜3日間続き解熱とともに発疹が現れます。
発疹は数日間で消えるため、発症から回復までの期間は約1週間程度です。

症状が長引く場合や、子どもの元気が極端にない場合は、他の病気の可能性もあるため医療機関を受診することが推奨されます。

突発性発疹の診断方法

突発性発疹の診断は、主に症状と経過をもとに行われます。特に、高熱の後に発疹が現れるという特徴的なパターンが診断の決め手となります。診断の際、医師は以下の点を確認します。

• 高熱が数日続いたかどうか
• 解熱後に発疹が現れたかどうか
• 発疹の分布や特徴（顔や体幹を中心に広がる赤い発疹）

特別な検査を行うことは少なく、問診や視診で診断がつくことがほとんどです。

家庭での対処法

突発性発疹は特効薬がないため、家庭での適切なケアが症状の緩和につながります。まず、最も重要なのは高熱が続く間、子どもが十分な休息を取れるようにすることです。
発熱中は体力が消耗しやすいため、涼しく快適な環境を整えてあげましょう。

水分補給も欠かせません。高熱があると脱水症状を起こしやすくなるため、こまめに水や麦茶、スポーツドリンクなどを摂らせるよう心がけてください。食欲がない場合は無理に食事を取らせる必要はありませんが、ゼリーやスープなど、飲み込みやすいものを準備すると良いでしょう。

解熱剤の使用については、小児科医の指示に従うことが重要です。自己判断での薬の使用は避け、特にアスピリンは子どもに与えないよう注意してください（ライ症候群のリスクがあります）。

子どもが発疹を気にして掻く場合は、爪を短く切り、清潔を保つことで肌を傷つけないよう配慮します。

突発性発疹の合併症

突発性発疹は通常軽症で済む病気ですが、稀に合併症が見られる場合があります。最も多いのは熱性けいれんで、高熱が原因でけいれんを起こすことがあります。熱性けいれんは数分で収まることがほとんどですが、初めて経験する場合、保護者が驚きや不安を感じることが多いでしょう。

けいれんが5分以上続く場合や、けいれん後に意識が戻らない場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診する必要があります。

また、免疫力が低下している子どもの場合、稀に肺炎や中耳炎などの二次感染を引き起こすことがあります。これらの合併症を防ぐためには、発熱中の子どもの様子をよく観察し、異常があれば速やかに医師に相談してください。

突発性発疹に再感染する可能性はあるのか

突発性発疹は、一度感染すると通常は免疫を獲得するため、同じウイルスに再感染する可能性は低いとされています。

免疫不全など特別な健康状態にある場合、再感染のリスクがわずかにあると考えられますが、一般的には、再感染の心配はあまりないといえるでしょう。

ただし、HHV6より遅れて感染するHHV7に感染した場合は、2回目の突発性発疹を発症する可能性があります。

突発性発疹と似た症状を持つ病気

突発性発疹と似た症状を持つ病気として、以下のような感染症が挙げられます。

• 麻疹（はしか）
  麻疹は高熱と発疹が特徴ですが、突発性発疹と違い、咳や鼻水、目の充血といった症状が強く現れます。また、発疹が出現しても解熱は見られません。
• 風疹
  風疹も発熱と発疹が見られる病気ですが、突発性発疹に比べてリンパ節の腫れが特徴的です。
• 川崎病
  川崎病は発熱と発疹に加え、手足の腫れや目の充血、口唇の赤みなどの特徴があります。突発性発疹とは経過が異なるため、注意が必要です。

これらの病気を見分けるためには、医療機関での診断が不可欠です。

突発性発疹の予防法

突発性発疹を完全に防ぐワクチンや特効薬は現在存在しません。しかし、日常生活で感染を予防するためにできることがあります。特に、手洗いや衛生的な環境の維持が重要です。突発性発疹は唾液を介して感染するため、感染が疑われる人との接触を避けることが推奨されます。

家族内で感染を防ぐためには、共有のタオルや食器を避けることや、こまめな消毒を行うことも効果的です。

保育園や学校に通う際の注意点

突発性発疹の子どもが保育園や学校に通う場合、高熱が下がり全身状態が良好であれば登園・登校が可能です。この病気は解熱後には感染力が低下するため、発疹が残っていても登園を許可される場合があります。ただし、施設によって基準が異なるため、保育園や学校に相談することをおすすめします。

また、保護者としては、子どもの体調を慎重に観察し、無理をさせないことが大切です。

突発性発疹と食事

突発性発疹にかかっている間、子どもの食欲が低下することがよくあります。その場合は、無理に食べさせるのではなく、消化の良い柔らかい食事を準備しましょう。おかゆやうどん、スープなどが適しています。

発熱中は特に水分補給が重要です。脱水を防ぐために、少量ずつでも頻繁に水分を摂らせるように心がけましょう。甘いジュースや炭酸飲料は避け、胃に優しいものを選ぶことがポイントです。

よくある質問と回答

岩間こどもクリニックの突発性発疹診療とサポート

岩間こどもクリニックでは、突発性発疹の診断からケア方法の指導まで、幅広いサポートを提供しています。初めての発熱で不安を感じる保護者の方には、丁寧に説明を行い、適切な対処法をアドバイスします。
また、症状が重い場合や合併症が疑われる場合でも、経験豊富な小児科医が迅速に対応します。突発性発疹に関する不安や疑問がある場合は、ぜひ岩間こどもクリニックにご相談ください。