泣き止まない

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泣き止まない原因は?子どもの症状と家庭でのケアを小児科医が詳しく解説

子どもが泣き止まない理由

子ども、特に乳幼児は泣くことでしか不調を訴えることができません。一見理由が分からず泣き止まない場合でも、実際には乳児疝痛、中耳炎、感染症など、適切なケアや医療機関での診察が必要な疾患が隠れている場合があります。そのため、泣き止まない状態が続く場合は注意が必要です。

子どもが泣き止まない際の注意点

子どもが長時間泣き止まない場合、次のような点を注意深く観察しましょう。


  • 泣き方が激しく異常ではないか(通常の泣き方との違い)
  • 発熱、嘔吐、下痢、血便、耳を触るなどの症状があるか
  • 泣き止んだ時の様子(ぐったりしていないか、顔色はどうか)を確認する

家庭での適切な対処法

家庭で泣き止まない子どもをケアする際の基本的な対処法は以下の通りです。


  • 落ち着いた声で優しく話しかけ、抱っこなど安心させる。
  • 空腹やおむつの不快感がないか確認する。
  • 室温や衣服の調整を行い、快適な環境を整える。
  • 症状が長時間改善しない場合は早めに医療機関を受診する。

泣き止まない症状を伴う代表的な疾患と特徴

  • 乳児疝痛(コリック)の特徴と原因
    乳児疝痛(コリック)は、生後数週間から数か月の赤ちゃんに見られる原因不明の強い泣きが特徴です。特に夕方から夜間にかけて起こりやすく、数時間泣き続けることも珍しくありません。お腹にガスが溜まりやすいことが原因とも言われますが、多くの場合、成長とともに自然に改善します。安心感を与える抱っこや軽いマッサージが効果的です。
  • 中耳炎の特徴と原因
    中耳炎は、風邪や鼻炎の感染が耳に波及し、中耳が炎症を起こす疾患です。強い耳の痛みや発熱があり、耳を触ったり引っ張ったりする動作が見られます。痛みが強く、夜間に泣き止まないことが多くあります。早期に抗生物質などで治療を開始することで重症化を防げるため、耳を気にする症状が見られたら早めに受診しましょう。
  • 感染症の特徴と原因
    子どもが泣き止まない場合、感染症による体調不良や痛みが原因となっていることもあります。発熱、下痢、嘔吐、発疹などが伴うことがあり、インフルエンザ、胃腸炎、尿路感染症などが代表的です。特に乳幼児は脱水症状を起こしやすいため、症状が続く場合は早急に受診し、適切な治療を受ける必要があります。

病院を受診する目安と救急車を呼ぶべきケース

以下の症状が見られる場合には早期に医療機関を受診してください。


  • 病院受診の目安
    ・泣き止まない状態が数時間以上続いている場合
    ・泣き止まないとともに発熱、嘔吐、耳を頻繁に触る動作がある場合
    ・泣き止んでもぐったりしている、または顔色が悪い場合
  • 救急車を呼ぶべきケース
    ・泣き方が激しく異常であり、意識がはっきりしない場合
    ・けいれんが起きている場合
    ・呼吸困難や顔色が著しく青白く緊急性が高いと判断される場合

症状が改善した後の家庭でのケアと過ごし方

症状が落ち着いた後は、静かで快適な環境を整え、無理をせずにゆっくり休ませましょう。症状の原因に応じて適切なケアを続け、十分な水分補給や睡眠を心がけましょう。

再発を防ぐための日常生活の注意点

泣き止まない症状の再発を防ぐには以下のようなことを日常的に実践しましょう。


  • 規則正しい生活リズムを整える。
  • 衛生管理を徹底し、感染症を予防する。
  • 赤ちゃんとのスキンシップを増やし、不安やストレスを軽減する。
  • 症状が繰り返される場合は、早期に医療機関へ相談する。

よくある質問

乳児疝痛(コリック)はいつ頃治りますか?
多くの場合、生後3~4か月頃までに自然に改善します。
中耳炎は自然に治りますか?
軽症では自然治癒もありますが、多くの場合は早期に抗生剤などの治療が必要です。
泣き止まない場合に抱っこは効果的ですか?
抱っこは赤ちゃんに安心感を与えるため、多くの場合効果的です。
泣き止まないときに痛み止めを使ってもよいですか?
痛みの原因が分からないうちは自己判断での使用を避け、医師の指示を仰ぎましょう。
中耳炎が繰り返す場合はどうしたらよいですか?
耳鼻科で継続的に治療を受け、再発予防のための生活指導を受けることが大切です。
感染症を予防するために家庭でできることは?
手洗いやうがいを徹底し、衛生的な生活環境を整えることが重要です。
泣き止まない時、何分くらいで受診を考えるべきですか?
通常の対応で泣き止まない状態が1~2時間以上続く場合は、受診を検討しましょう。
乳児疝痛に薬は効果がありますか?
一般的に薬は推奨されません。抱っこやマッサージ、環境調整などが効果的です。

まとめ

子どもが泣き止まないという症状は、保護者にとって不安やストレスを感じさせる状況です。泣き止まない原因はさまざまで、乳児疝痛(コリック)など一時的なものである場合もあれば、中耳炎や感染症などの医学的対応が必要な疾患が隠れている場合もあります。特に中耳炎や感染症は早期に適切な治療を行わないと症状が悪化し、重大な合併症を引き起こす可能性があります。

また乳児疝痛(コリック)は一時的な症状ですが、家庭でのケアや赤ちゃんに安心感を与える環境作りが重要であり、適切な対応をとることで赤ちゃんのストレスを軽減できます。

子どもは自分の症状を言葉で伝えることができないため、日常生活の中での子どもの様子や変化を保護者が注意深く観察し、泣き方やその他の症状に異常を感じたら早めに医療機関に相談することが重要です。

岩間こどもクリニックでは、泣き止まないお子さまに対し、それぞれの原因を的確に診断し、症状に応じた適切な治療を迅速に行います。また、家庭でのケアや再発予防のための具体的なアドバイスを行い、保護者が安心して対応できるようにサポートをしています。

お子さまの健康とご家族の安心のため、泣き止まない症状で困ったときは、ぜひお気軽に岩間こどもクリニックにご相談ください。私たちが全力でお子さまとご家族をサポートいたします。

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