赤ちゃんの股関節の開きが悪い?乳児健診後の対応
Blog
赤ちゃんの股関節の開きが悪い?乳児健診後の対応
Blog
赤ちゃんの乳児健診で「股関節の開きが硬いようです」「脚の開きに左右差があります」「専門医療機関で詳しく調べましょう」と言われると、驚き、不安になりますよね。
赤ちゃんの股関節の異常として代表的なものに、「発育性股関節形成不全(DDH)」があります。以前は「先天性股関節脱臼」と呼ばれていましたが、現在は、脱臼だけでなく亜脱臼や股関節の受け皿が浅い状態などを含めて、この名称が使われています。
健診で指摘されたからといって、必ず脱臼しているわけでも、すぐに手術が必要になるわけでもありません。一方で、赤ちゃんの股関節は早い時期に状態を確認し、必要な検査や治療につなげることが大切です。この記事では、乳児健診で股関節を確認する理由、気をつけたいサイン、検査や治療、ご家庭での注意点をわかりやすく解説します。
股関節は、骨盤側のくぼみである「寛骨臼(かんこつきゅう)」に、太ももの骨の先端である「大腿骨頭(だいたいこっとう)」が収まることで成り立っています。
発育性股関節形成不全(DDH)は、この股関節が十分に安定していない状態の総称です。大腿骨頭が完全に外れている「脱臼」、一部ずれている「亜脱臼」、受け皿が浅い「臼蓋形成不全」などが含まれます。出生時には目立たず、生後の成長や脚の姿勢の影響により明らかになることもあります。
適切な時期に発見できれば、状態に応じた経過観察や治療を早く始められます。そのため、1か月健診や3〜4か月健診などで、股関節の動きや左右差を確認することが重要です。
乳児健診では、赤ちゃんの脚をやさしく動かし、股関節の開き方や左右差を確認します。ご家庭でも、次のような様子が気になる場合は小児科や整形外科へ相談してください。
ただし、しわの左右差だけで発育性股関節形成不全と診断されるわけではありません。反対に、見た目の左右差が目立たなくても股関節の異常が隠れていることがあります。ご家庭で無理に脚を開いて確かめず、気になるときは医療機関で診察を受けましょう。
発育性股関節形成不全は、次のような場合に起こりやすいことが知られています。
これらに当てはまるからといって、必ず異常があるわけではありません。ただし、複数の要因が重なる場合や、股関節の開きに左右差がある場合は、乳児健診を待たずに相談することも検討しましょう。
小児科では、妊娠・出産時の状況、逆子の有無、家族歴、普段の脚の動かし方などを確認したうえで、股関節の開き方、左右差、脚の長さ、皮膚のしわなどを診察します。
診察で発育性股関節形成不全が疑われる場合や、健診で二次検診を勧められた場合は、小児整形外科などの専門医療機関で画像検査を行います。乳児期には、軟骨の状態も確認できる超音波(エコー)検査が有用で、月齢や状態に応じてX線(レントゲン)検査が選ばれることもあります。
岩間こどもクリニックでは、乳幼児健診や一般診療の中で赤ちゃんの発育・発達と股関節の状態を確認し、必要に応じて適切な専門医療機関へご紹介します。
治療が必要かどうかは、赤ちゃんの月齢と股関節の状態によって異なります。軽い未成熟な状態では、専門医の判断で経過をみることがあります。一方、脱臼など治療が必要な場合には、股関節が安定しやすい姿勢を保つ「リーメンビューゲル」などの装具を使用することがあります。
装具で十分な改善が得られない場合や、発見時期・重症度によっては、牽引、ギプス固定、手術などが検討されることもあります。ただし、健診で股関節を指摘されたすべての赤ちゃんが装具や手術の対象になるわけではありません。まずは正確に状態を確認し、専門医と相談しながら方針を決めることが大切です。
また、股関節が正しい位置に戻った後も、受け皿の成長を確認するために定期的な経過観察が必要になることがあります。
赤ちゃんの脚は、股関節と膝が曲がり、自然に外側へ開いた「M字」の姿勢が基本です。受診までの間は、脚の自由な動きを妨げないようにしましょう。
抱っこやおむつ替えの方法について迷う場合も、診察時に遠慮なくご相談ください。
「様子を見てよいのか」「すぐに専門医へ行くべきか」と迷う段階でも構いません。股関節の異常は、早い時期に気づいて適切な確認につなげることが大切です。
A.必ずしも脱臼しているとは限りません。股関節の開きに左右差がある、リスク要因があるなどの理由で、念のため詳しい検査を勧められることがあります。診察や画像検査で状態を確認します。
A.脚を強く開いたり、何度も動かして確認したりすることは避けてください。普段のおむつ替えや着替えの中で左右差が気になった場合は、その様子を医師に伝えましょう。
A.手術が必要になるとは限りません。状態によっては経過観察や装具治療が選ばれます。治療方法は月齢や重症度によって異なるため、専門医の評価が必要です。
A.脚を閉じて伸ばした状態に固定せず、股関節と膝が曲がって自然に開く姿勢を保ちましょう。縦抱きのコアラ抱っこは、股関節の自由な動きを保ちやすい方法です。
岩間こどもクリニックでは、乳幼児健診や一般診療を通して、お子さまの成長・発達を丁寧に確認しています。
「乳児健診で股関節を指摘された」「脚の開きに左右差がある」「専門医に相談すべきかわからない」など、赤ちゃんの股関節についてご心配がありましたら、さいたま市緑区の岩間こどもクリニックへご相談ください。診察の結果、詳しい検査が必要と判断した場合は、適切な専門医療機関へご紹介します。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。赤ちゃんの状態や治療方針は一人ひとり異なりますので、気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。
・日本小児整形外科学会「赤ちゃんの股関節脱臼―正しい知識と早期発見のために―」
・日本整形外科学会「発育性股関節形成不全(DDH)」
TOP