子どもの頭皮が日焼けしたら? 赤み・かゆみ・フケと脂漏性皮膚炎
Blog
子どもの頭皮が日焼けしたら? 赤み・かゆみ・フケと脂漏性皮膚炎
Blog
夏の外遊びや通園・通学のあと、「頭皮が赤い」「かゆそうにしている」「フケのようなものが増えた」と気づくことがあります。髪に覆われている頭皮も、分け目やつむじ、髪の生え際などは紫外線を受けやすく、日焼けすることがあります。一方で、赤みやフケ、黄色っぽいかさぶたが続く場合は、脂漏性皮膚炎(一般に「脂漏性湿疹」と呼ばれることもあります)など、日焼けとは別の皮膚トラブルが隠れている可能性もあります。今回は、子どもの頭皮の日焼けと脂漏性皮膚炎の違い、ご家庭でできるケア、小児科を受診する目安について解説します。
●子どもの頭皮も日焼けします
日焼けは、強い紫外線を浴びることで起こる皮膚の炎症です。頭皮は髪に守られているように見えますが、髪が細い乳幼児、髪の量が少ないお子さま、短い髪型のお子さまでは紫外線の影響を受けやすくなります。特に、分け目、つむじ、前髪の生え際、耳の周囲は日焼けしやすい部分です。
●頭皮の日焼けでみられやすい症状
・外出した日の数時間後から翌日に、頭皮が赤くなる
・触ると熱っぽい、ヒリヒリする、痛がる
・数日後に皮がむけ、細かなフケのように見える
・強い日焼けでは、水ぶくれ、腫れ、発熱、だるさなどを伴うことがある
日焼け後の皮むけはフケに似て見えるため、脂漏性皮膚炎と区別しにくいことがあります。症状が出た時期や、屋外で長時間過ごしたかどうかも判断の手がかりになります。
日焼けと脂漏性皮膚炎は同じものではありません
脂漏性皮膚炎は、頭皮や髪の生え際、耳の後ろなど、皮脂の多い部分に起こりやすい炎症性の皮膚疾患です。原因は完全には解明されていませんが、皮膚に常在するマラセチアという真菌や皮脂、体質などが関係すると考えられています。
紫外線が脂漏性皮膚炎を直接引き起こすとは限りません。ただし、日焼けによる炎症や乾燥、汗、帽子による蒸れ、こすれなどの刺激が重なると、もともと敏感な頭皮の赤みやかゆみが目立つことがあります。「日焼けだと思っていたけれど、なかなか治らない」という場合には、別の皮膚疾患も考える必要があります。
●脂漏性皮膚炎でみられやすい症状
・白色または黄色っぽいフケ・鱗のような皮膚が繰り返し出る
・頭皮や髪の生え際、耳の後ろが赤くなる
・ベタついたかさぶたや、厚い皮が付着する
・かゆみが続き、かきむしってしまう
・乳児では、頭皮に黄色いかさぶたが付く「乳痂(にゅうか)」としてみられることがある
日焼け以外の病気が隠れていることもあります
子どもの頭皮の赤み、フケ、かゆみは、脂漏性皮膚炎だけでなく、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、頭部白癬(しらくも)、とびひ、乾癬などでもみられます。見た目だけで区別するのが難しいことも少なくありません。
特に、円形に髪が抜ける、髪が途中で切れる、じゅくじゅくして膿が出る、同じ場所を繰り返しかくなどの症状がある場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、早めに医療機関へご相談ください。
●頭皮が日焼けしたときのご家庭でのケア
軽い赤みやヒリヒリ感で、お子さまの全身状態が良い場合は、次のようにケアしましょう。
・冷たい水でぬらしたタオルを当て、やさしく冷やす(氷を直接当てない)
・ぬるめのお湯と刺激の少ないシャンプーで、こすらず洗う
・タオルで強く拭かず、押さえるように水分を取る
・皮がむけても、無理にはがしたり、かさぶたを取ったりしない
・赤みや痛みが落ち着くまでは、長時間の屋外活動を控える
大人用の薬用シャンプーや、手元にあるステロイド・抗真菌薬を自己判断で使用することは避けましょう。年齢や症状によって適した薬や使い方が異なります。
●子どもの頭皮の日焼けを防ぐ方法
・日差しの強い時間帯の長時間の外出を避け、できるだけ日陰を選ぶ
・つばのある帽子を着用する
・汗で蒸れた帽子はこまめに外し、頭皮を乾かす
・分け目や髪の生え際など露出する部分には、年齢に合った日焼け止めを使用する
・汗をかいた後や水遊びの後は、日焼け止めを塗り直す
※生後6か月未満の赤ちゃんは、直射日光を避け、日陰・衣類・帽子による対策を優先してください。日焼け止めの使用について迷う場合は、かかりつけ医にご相談ください。
●小児科を受診する目安
次のような症状がある場合は、日焼けだけと判断せず、小児科や皮膚科へご相談ください。
・水ぶくれ、強い腫れ、強い痛みがある
・発熱、嘔吐、ぐったりしている、水分が取れない
・じゅくじゅくした部分、出血、膿、悪臭がある
・かゆみで眠れない、かきむしりが止まらない
・数日たっても改善しない、または繰り返している
・円形の脱毛、髪の切れ、広がる発疹がある
・乳児の頭皮だけでなく、顔や耳の後ろ、おむつの部分にも発疹が広がっている
●よくあるご質問
Q.フケが出たら、すぐに脂漏性皮膚炎ですか?
A.日焼け後の皮むけ、乾燥、シャンプーの刺激などでもフケのようなものが出ます。黄色っぽい皮が繰り返し付く、赤みやかゆみが続く場合は、脂漏性皮膚炎などの可能性があります。
Q.頭皮にも日焼け止めを塗ってよいですか?
A.分け目やつむじ、髪の生え際など、皮膚が露出している部分には使用できます。お子さまの年齢に合った低刺激性の製品を選び、帽子や日陰も組み合わせてください。湿疹や傷がある部分への使用は、医師に確認すると安心です。
Q.市販のフケ用シャンプーを使ってもよいですか?
A.製品によっては子どもの頭皮に刺激となることがあります。特に乳幼児や、赤み・傷・じゅくじゅくがある場合は、自己判断で使わず、医師または薬剤師にご相談ください。
●頭皮の赤み・かゆみ・フケが気になるときはご相談ください
子どもの頭皮の日焼けは、軽い赤みや皮むけで自然に落ち着くこともありますが、脂漏性皮膚炎や感染症などが隠れている場合もあります。「日焼けなのか湿疹なのか分からない」「フケやかさぶたが繰り返す」「かゆみが強い」ときは、早めにご相談ください。
さいたま市緑区の岩間こどもクリニックでは、お子さまの年齢、症状の経過、頭皮の状態を確認し、ご家庭での洗い方や紫外線対策も含めてわかりやすくご説明します。必要に応じて、専門医療機関への受診をご案内します。
参考情報
・MSDマニュアル家庭版「脂漏性皮膚炎」「日焼け」
・American Academy of Dermatology「Seborrheic dermatitis」「Sun protection」
・American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)「Sunburn: Treatment & Prevention」
TOP